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「9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~」世紀末ボロ布人形伝説!

 『これまでの人生で見た映像の中で、最高の11分間だった』と、あのティム・バートンに言わしめた短編アニメを、長編アニメ映画化。「9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~」(ギャガ GAGA★)「NINE」とか「第9地区」とか、今年は“9”の当たり年??


 古びた研究室で、奇妙な人形が目覚めた。麻布を縫い合わせた身体に、大きなジッパー、そして背中に書かれた数字の“9”。自分が誰か?ここはどこか?もわからない人形。外を見ると、見渡す限り廃墟の街が広がっていた。やがて茫然とする“9”の前に、“2”という数字の書かれたボロ人形が現れる。“9”の壊れていた発声装置を治してくれた“2”は、『自分たちは仲間だ』と語り掛ける。そこへ突如、巨大な機械獣が現れ2人を襲撃。“9”を庇った“2”が、機械獣に連れ去られてしまう。気を失った“9”が次に目覚めた時、周りには“1”をリーダーとする、他の人形達の姿があった。果たして彼等は何のために作られたのか…?


 「北斗の拳」「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」÷2=??(チョット違うかな…?)”って、感じの“世紀末ヘンテコ人形伝説!”でした。なるほど、確かにこれはティム・バートンの好きそうな世界ですね。ダークな世界観に、ダークな映像、そしてそこで躍動する奇妙な人形達…。ティムは今回、製作(=プロデューサー)なのですが、もう1人製作に名を連ねている映画監督が、ティムール・ベクマンベドフ。そしてテーマ曲を手掛けるのはダニー・エルフマン。ね?もうこれだけでどんな世界が映画で描かれているのか、想像できますよね(^^;?
 わずか11分の短編で、ティムのハートを鷲掴みにした本作の監督である、新鋭シェーン・アッカーの才能は、非常に素晴らしいと思います。相当にメッセージ性の強いストーリーもさることながら吾輩は、スクリーン上を生き生きと動きまわる人形達の映像に、心奪われてしまいました。そんなにカワイらしくもなく、むしろいびつで奇妙な人形達なのですが、観ているうちに、何とも言えぬ愛着が湧いてきてしまいました。小さな者たちが一生懸命に生きている姿に、アニメなんですけど、何か思い切り共感させられました。それだけ映像が素晴らしいってことなんでしょうね。これは、本当に一見の価値ありですよ、皆さん!

 それからこの映画、人形達の声を演じている声優陣も、非常に豪華キャストでございます。“9”のイライジャ・ウッドを筆頭に、“7”をオスカー女優のジェニファー・コネリーが、そして“5”をジョン・C・ライリー、“6”をクリスピン・グローヴァーと、なかなか玄人好み(?)なキャスティング。そして極め付けは、“1”と“2”をそれぞれ名優クリストファー・プラマーマーティン・ランドーが演じているのです。80歳&78歳(2人合わせて、158歳!)の、大ベテランコンビの声を聞いただけで、吾輩胸が熱くなってしまいました。いやあ、これは素晴らしいです!

 人形アニメ(←こう書いちゃうと、何か安っぽい…)ではございますが、決して子供向けには作られておりません。大人が見て、いろんなことを考えさせられる映画だと思います。そう、それだけこの映画が描こうとしているメッセージは、壮大で重いものだと感じました。でも、決して暗い話(いや、ダーク・ファンタジーだとは思いますが、映画全体が重苦しいわけではないので…)ではありません。上映時間も80分と短めですので、お伽話を見るような感覚でご覧になることを、お薦めいたします。

 「9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~」は、5月8日(土)~ 全国ロードショーです。人類滅亡後の世界で、懸命に生きる人形達の姿を、あなたも是非!映画館でご覧下さい。


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9〈ナイン〉~9番目の奇妙な人形~@ぴあ映画生活

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by mori2fm | 2010-04-28 13:49 | 映画評 外国映画 ナ行