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「アメリア 永遠の翼」そして彼女は空になった…。

[ヒラリー・スワンク] ブログ村キーワード
 2度のアカデミー賞主演女優賞に輝く、ヒラリー・スワンクの最新主演作。「アメリア 永遠の翼」(ショウゲート)。“偉人”とも言える実在の女性飛行士アメリア・イヤハートの半生を、製作総指揮にも名を連ねるほどの強い思いで、熱演しています。


 幼い頃から、空を飛ぶことに興味を持っていたアメリア(ヒラリー・スワンク)は、チャールズ・リンドバーグが大西洋単独無着陸飛行を成功させた翌年の1928年に、大西洋を横断飛行をした(乗客として)初の女性となった。凱旋パレードで熱烈な歓迎を受けたアメリアは、一躍“時の人”に。リンドバーグの著書を出版したジョージ・パットナム(リチャード・ギア)が、アメリアの広報を務め、ジョージのプロデュースした講演会などを次々とこなしていくアメリア。やがて2人は恋に落ち、結婚。アメリアは、今度は乗客としてではなく、自らの操縦による単独での、大西洋横断飛行に挑もうとする…。


 アメリア・イヤハート。日本ではあまり知られていない女性だと思いますが、アメリカでは今でも絶大なる人気を誇っているんだそうで、映画や小説の架空のエピソードに、彼女はよく出てくるそうです(そういえば、「ナイト ミュージアム2」にも出てましたね)。吾輩も、『女性として、史上初めて大西洋を横断飛行を成功させた“女性版・リンドバーグ”』みたいな予備知識だけは、持っておりました。ところで映画を見て初めて知ったのですが、アメリアの最初の大西洋横断飛行ってのは、“乗客”としてのフライトだったんですね。実際に操縦していたのは、他の男性2人。即ち『チームで飛んだ』ということになるのですが、彼女はこの飛行では、操縦桿を握ってはいませんでした。それでも、『女性として初めて、大西洋を横断した』ってことで、世間からは大絶賛されるわけです。ここら辺り、見ていて何か拍子抜け(だって乗ってただけって…)してしまうんですけど、これが当時の社会に於ける“男性と女性の社会的身分の違い”ってのが描かれているような気がして、なかなか興味深いですね。で、そんな状況には満足できず、アメリアは今度は自身の手による“大西洋単独横断飛行”に挑み、見事に成し遂げちゃうわけです。この『困難に自ら立ち向かい、乗り越える』という“挑戦者魂(チャレンジ・スピリット)”が、今もなおアメリカで彼女が支持される要因の一つであると思います。合わせてユアン・マクレガー演じるジーン・ヴィダルとの、“友情以上の関係”で見せる、女性としての揺れる思いや、それを超越して、自らの夢である冒険飛行に挑んで行く姿。そして今も謎に包まれたままの“最期(アメリアは、世界一周飛行の途上、1937年7月2日に太平洋上で消息を絶ち、そのまま今日まで発見されていない。彼女の死は確認されておらず、あくまで宣告されたもの)”なども、現代まで“伝説”としてアメリカで語り継がれているアメリアの人間としての魅力が、本作では余すところなく描かれています。
 
 ヒラリー・スワンクは、相当にリキが入っています。アメリアに惚れ込み、入念なアプローチを重ねて、アメリアの容姿からしぐさまで、かなりリアルに演じているようです(吾輩、アメリアの詳細を知り得ませんので、あくまでも断定・伝聞ですが)。それに対するリチャード・ギアの影が、やや薄いような気がしますが、飛び出して行くアメリアを大きな愛で受け止める役を、抑えめの演技で好演しています。この映画の監督は、インド人女性のミーラー・ナーイル。女性特有の繊細な演出が随所に散見しますが、無理やり感動作に仕上げず、事実(多かれ少なかれの脚色はあるにせよ)を、淡々と描き続けている辺りに、好感が持てました。特にラスト近くのシーンは、下手な演出に掛かるとタダの“お涙頂戴シーン”になってしまいがちですが、本作ではそうはなっておりません(イイか、悪いかは別として)ので、吾輩は最後までキチンと見届けることが出来ました。

 今や航空機ってのは、“オートパイロット”や“GPS”なんかを駆使して、世界の空を当たり前のように飛び回っておりますが、この映画に描かれていた時代って、そんなに昔じゃないですよ。そうして考えると、技術の進歩って、ホントに凄いですね。でもその影には、アメリアのような挑戦者達がいたことを、忘れてはいけないと思いますし、この映画はそう言ったことを、吾輩たちに知らせてくれています。


 「アメリア 永遠の翼」は、11月27日(土)~全国ロードショーです。『空を愛し、空に挑み、そして彼女は空になった…』←今年一番の、秀逸なキャッチだと思います。名女優が演じる、“女性パイロットのパイオニア”の姿を、あなたも是非!映画館でご覧ください。

~追記~
 「アリス・イン・ワンダーランド」のアリス役、ミア・ワシコウスカが、ホンのチョイ役で出てきます。う~ん、何か勿体ないな~。何でやろう??


「アメリア 永遠の翼」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

映画『アメリア 永遠の翼』 - シネマトゥデイ

アメリア 永遠の翼@ぴあ映画生活

アメリア 永遠の翼 - goo 映画
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by mori2fm | 2010-11-19 16:10 | 映画評 外国映画 ア行