人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「はやぶさ/HAYABUSA」お帰り~!!

[はやぶさ] ブログ村キーワード
 日本中を感動の渦に巻き込んだ、あの小惑星探査機帰還のニュースを映画化。「はやぶさ/HAYABUSA」(20世紀フォックス映画)。競作ブームの先陣を切っての公開です。さあスクリーンで、あの感動を再現できるか?


 古本屋でバイトをしながら論文を書いていた水沢恵(竹内結子)は、かつて講演を聞きに行き、質問をぶつけた“宇宙科学研究所”の的場室長(西田敏行)からスカウトされ、研究生として小惑星探査機のプロジェクトで働き始める。このプロジェクトの内容は、探査機を小惑星に着陸させ、サンプルを回収して地球へ帰還させるという世界初の試みだった。2003年5月9日、恵や多くの人たちが見守る中、“はやぶさ”と名付けられた探査機は、“イトカワ”と命名された小惑星に向けて打ち上げられる。この日から、“はやぶさ”とプロジェクト・クルー達の、誰も予期しなかった長く険しい航海の日々が始まった…。


 もちろん実話がベースになっておりますが、登場人物は実在の人物をモデルにした、架空の人物に置き換えられています。西田敏行さん演じる“的場泰弘”のモデルは的川泰宣 氏髙嶋政宏さん演じるカメラチームのリーダー“坂上健一”のモデルは齋藤 潤 氏山本耕史さん演じるサンプル回収機の責任者・“田嶋学”のモデルは矢野 創 氏鶴見辰吾さん演じるイオンエンジンの責任者・“喜多修”のモデルは國中 均 氏。そして佐野史郎さん演じるプロジェクトマネージャー“川渕幸一”のモデルは川口潤一郎 氏(凄く似てます!)。所謂“セミドキュメンタリー映画”の体をとっています。そして竹内結子さん演じる“水沢恵”に至っては、JAXAに実在する、複数の女性スタッフをミックスして造形されたんだそうです。う~ん、何で実名では出来ないんでしょうね?やはりまだ最近の出来事なので、あまりにリアルすぎるからなんでしょうか?スミマセン、この辺の事情吾輩知らないもんで…。
 でも、人物は架空でも映画で描かれていることは、実際に起こっていたということで、これを見ますと本当に『日本の科学力は凄い!日本人は素晴らしい!!日本に生まれて良かった(泣)!』って思いに胸が熱くなりました。打上げまでの紆余曲折…予算の折衝や、コスト内で如何に正確な機材を完成させられるか?更には、打上げで影響を受ける漁業関係者との折衝etc,etc、『あんなことまでやらなアカンのか?』ってのを、今回初めて知りました…や、打ち上げてからの様々なトラブル。果ては遥か遠い宇宙空間で「ロスト(見失う)」寸前の状態に追い込まれながらも、何度も何度もその苦難をスタッフの知力を結集して乗り越え、当初の帰還予定日を大幅に超えても尚、満身創痍の機体で地球に辿り着き、オーストラリアの空で燃え尽きた“はやぶさ”。吾輩、実際のニュース映像は生で見られなかったのですが、当時このニュースに触れて、無性に感動したことを憶えております。映画でもその感動がスクリーンに存分に甦ってきます。誰ということなく呟く『お帰り!』という言葉が、とても優しく熱く胸に響きます。クライマックスは本当に感動シーンなのですが、そこまでに至る経過は、前述したように比較的淡々と事実が描かれていて(それでも、何度も『絶体絶命!』『危機一髪!』ってシーンはありますが)、その辺りの描写には観ていて好感が持てました。監督が堤幸彦さんだと聞いて、『いやあ「トリック」みたいなノリで撮られてないかな~?』って、チョット心配になってたのですが(失礼!)杞憂でございました。スミマセンm(_ _)m。

 ただ最初にも書いたように、この“はやぶさの帰還”を扱った映画は競作となっておりまして、来春までに東映が作る「はやぶさ 遥かなる帰還」と、松竹が作る「おかえり、はやぶさ」ってのが、相次いで公開されます。これらを見比べるってわけではないのですが、そうやって観て初めてこの映画のポジションがわかるような気がします。まあ東映版は、今やハリウッド・スターのケン・ワタナベを主演として前面に出してくるようですし、松竹版の方は何と“3D”なんだそうです。そういう点からすると、西田さんをはじめとするキャストの面々が、宇宙をテーマとした映画にも関わらず(?)、非常に人情味溢れるドラマを見せてくれた本作が、一番良心的な映画に仕上がっているような気がしないでもないのですが…(あくまでも、吾輩の勝手な推測ですよ!)。

 ハリウッド映画によく出てくるNASAの管制室なんかは、天井が非常に高くて、超大型のモニタースクリーンや最新鋭のコンピューターが、ずらりと並んでいますが、本作で描かれているJAXAの管制室は、どこにでもありそうなオフィスのような広さで、見た目ごく普通のデスクトップPC(そりゃ、中身は最新鋭のモノだとは思いますが…)で、“はやぶさ”への指令を送っているんですよ!このあたりを見ても『日本の技術力は凄い!』って、何か誇らしかったですね。でも、これ観たら思いましたね。 『もっと予算UPしてあげて~!』って(^^;。

 何度も何度も危機に陥りながらも、奇跡の生還を果たした“はやぶさ”。その姿は、いま『何でやねん?』って思えるくらいに、災難続きの我が国の姿にダブって見えます。理不尽なことは、この世の中にイッパイあるけれど、あきらめずにくじけず進めば必ず希望に辿り着ける…。この映画を観終わった後、そんな思いに駆られました。『さあ、がんばろう!ニッポン!!』


 「はやぶさ/HAYABUSA」は、10月1日(土)~全国ロードショー公開です。7年間、60億キロにも及ぶ宇宙の旅を見つめ、支え続けた人々の感動のドラマをあなたも是非!映画館でご覧下さい。


~追記~
 劇中で、水沢恵が紹介する「はやぶさ君の冒険日誌」は、JAXAのHPで公開されています。こちらを→click!


「はやぶさ/HAYABUSA」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

映画『はやぶさ/HAYABUSA』 - シネマトゥデイ

はやぶさ/HAYABUSA@ぴあ映画生活

はやぶさ/HAYABUSA - goo 映画
はやぶさ/HAYABUSA - goo 映画




ランキング参加中
“ポチッ”と、よろしく!↓
人気ブログランキングへにほんブログ村 映画ブログへ
by mori2fm | 2011-09-22 23:13 | 映画評 日本映画 は行