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「北の零年」小百合さまは日本映画の歴史ですな。

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 東映久々のビッグバジェット「北の零年」吉永小百合さま111本目の映画出演作にして、「GO」や「セカチュー」の行定 勲 監督とのタッグ。果たして出来上がりのほどは如何に…?

 時は明治維新。淡路島の稲田家は徳島藩との確執から、新政府により北海道への移住を命じられる。先遣隊として開墾に従事していた小松原英明(渡辺 謙)の許へ移民団の第一陣として、妻の志乃(吉永小百合)や娘の多恵(大後寿々花、成長してからは石原さとみ)等も合流。彼等は主君を迎えるべく慣れぬ土地と日々格闘してゆくのだが、移民第二陣の船が難破したり、廃藩置県により土地は明治政府の管轄となるなど、次々と苦難が降り掛かってくる。しかしそんな中でも英明は希望を捨てず、自らマゲを落としこの地に自分達の国を築くことを決意。馬宮(柳葉敏郎)をはじめ、他の稲田家家臣達もそれに同調する。或る日、英明は自分達の土地でも根付く稲を探すため、札幌へ向うことに。心配する志乃や多恵に『遅くとも半月で帰る』と言い残して旅立つ英明。しかしそれ以降、英明からの音信は一切途絶えてしまう。残された志乃と多恵には、過酷な試練が待ち受けていた…。

 まったくのノンフィクションではないのですが、実話をベースにしているということで、歴史物が好きな吾輩にとりまして大変見応えのある1本でした。“女性の立場から見た物語”というと、とかく昼メロっぽくなりがちな気がするのですが、作品として、繊細でありながら一本芯の通った骨太な作りが為されているという印象を受けました。こんな演出が出来る行定監督は”才人”だと思います。これからもますます精力的に映画を作っていただきたい!
 また渡辺 謙さんが、イイですね。ある意味昨年の「ラスト サムライ」で演じた役柄とは正反対(前回は武士道を貫いて死んでいくサムライ。今回は武士であることを捨てて、生きていく男)の役柄を存在感タップリ(物語中盤、殆ど出てこないにも関わらず…)に演じています。“ハリウッドが認めた男”の魅力はやはり素晴しいモノがありますね。謙さんがスクリーンに映るだけで、“貫禄”という名のオーラが滲み出ていました。役柄的には、チョット赦せない奴なんですが…。

 ところで、主演の吉永小百合様についてですが、吾輩恐らく小百合様の映画を映画館で観るのは、これが初めてだと思います。111本目の映画出演ですか!凄いですね。もお、他に言葉がございません。日本映画の歴史をリアルタイムで歩いておられますね。相変わらずお美しくていらっしゃるし(とても60歳には見えません)…。ただ、パンフレットを見てビックリしてしまいました。小百合様のプロフィールには『何年生まれ』とは書かれてなかったのですが、『59年に映画デビュー』とありました。で、謙さんのプロフィールを見るとそこには『1959年…生まれ』つまり小百合様の映画デビューの年に、謙さんがお生まれになった…!おいおい、さすがにこのキャスティングにはチョット無理があるんじゃないでしょうか?如何に小百合様がおキレイとは言え、そりゃ小百合様が年上ってのはわかってましたが、改めて認識しちゃうとね~。
 でも小百合様は確かにすばらしいと思いますが、もうそろそろ次代を担う“小百合様クラス”の女優さんに台頭してきてもらいたいモンですな。日本映画の将来のためにも…。

 「北の零年」は、ただいま絶賛公開中です。上映時間2時間48分(!!)。でも観ていてそんなに長く感じません。北海道が如何にして開拓されていったのかを、日本人としてリキ入れて、映画館でその目にシッカリ焼き付けてください!


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by mori2fm | 2005-01-31 01:35 | 映画評 日本映画 か行