2012年 11月 22日
「カラスの親指」気楽に見られる160分!
阿部寛、今年3本目の主演作!「カラスの親指」(20世紀フォックス映画)。刑事、古代ローマ人に続いて今度はプロのサギ師。さあ、あなたもダマされちゃいますか?
武沢竹夫(阿部寛)=通称・タケは、8年前に自身に振りかかった或る出来事を境に、全てを捨て裏の社会でサギ師として生きてきた。最近は、自分より年長だがサギ師としては後輩の入川鉄巳(村上ショージ)=通称・テツとコンビを組み、日々の生活は順調だった。或る日、タケの過去に関係があると思われる不審火が原因で、住んでいたアパートを失った2人は心機一転とばかり新たな住居に転居し、仕事道具を購入するため街へと繰り出す。そこで2人は、スリの少女・まひろ(能年玲奈)と知り合う。住んでいるアパートを追い出されそうだとこぼすまひろに、『うちに来ればいい』と告げるタケ。そして翌朝、まひろは本当にやって来た。ニートの姉・やひろ(石原さとみ)と、その恋人・貫太郎(小柳友)を連れて。こうして突然始まった5人の奇妙な同居生活は、思いのほか楽しいものだった。しかしそこへも、タケの過去に関わる輩達の手が伸びてきていた…。
本作は、「スティング」や「紳士同盟」のような所謂“コン・ムービー”(=サギ師が主人公の映画)でございます。コン・ムービーの魅力とは、騙す騙されるの攻防戦がメインのストーリーを引っ張り、あちこちに張り巡らされた伏線が、ラストで『ああ、そういうことやったんか!』と繋がって、極めて痛快!って感じなんですが、本作もご多分に漏れず、なかなかに見応えがあり、なお且つ面白い内容に仕上がっています。吾輩見終わった後、『おお~!そういうことやったんや~!!』って、やっぱり心の中で叫んでましたから。
原作は“直木賞作家”道尾秀介 さんの人気小説なんですが、相変わらず吾輩未読!でも『映像化不可能と言われてきた…』らしいんですけど、そうかなあ?そんなに難しいかな~?この話。面白いのは面白いけれど、別に特殊効果が多用されるとか、ムチャクチャお金が掛かるって感じの映画でもないですしね。それよりも、むしろ吾輩は問いたい!『この映画、何で2時間40分もあるの?!』まあ、とにかく長い!いや、決して非難してるわけではないんですが、その気になればもう少し詰めれた…、切れたと思うんですね。今日び、ここまで長いのは“文芸超大作”か“超破格予算SF超大作”ぐらいなモンだと思います。制作サイドがそう言った映画を目指して作られたのなら、そりゃ仕方ないですが、見た印象としては絶対そうじゃないと思いますし、何より今が旬の阿部さんの主演作なわけですから、幅広い層の人が映画館へ足を運ぼうと思うでしょう。その際に、この上映時間は少なからず足枷になりゃあせんかなあ~?と、感じられましたので、少々ツッコませていただきました。吾輩なんて、『トイレ我慢できるかな~?』ってのが、心配で心配で…(^^;。
今回の阿部さんは、なかなか抑えめの演技で(まあ、前作の古代ローマ人から比べれば、何でも抑えめになっちゃいますか…(^^;)、哀しい過去を背負った優しい男を、好演しています。うん、この人はホント何演らせても自然体で、ホント上手いですね。あと、ここのところ売れまくり状態の石原さとみちゃんですが、この映画での彼女は、吾輩的には正直“??”でございました。今回の“やひろ”って女の子が、作中大したことやってないんですよね。ホントにな~んにもやってないって言っても過言じゃないくらいに、存在感が無いんですわ。だからう~ん、とにかくこの使われ方が勿体ない!何か残念ですわ。妹のまひろを演じている、能年玲奈ちゃんの方が、輝いていましたね。そう言えばこの子、来春スタートの朝ドラのヒロインなんですね。うん、これから要注目ですな。そして、この映画のキャスティングの極め付けである、村上ショージ 師匠!!いやもう何でこんな人が主演クラスに抜擢されたのか?吾輩最初に聞いたときは『何かの冗談か?』とか思っちゃったんですが、これが大真面目!“自然体熱演”の阿部さんに対して、“台詞超棒読み”のショージさん。ところがこれが飄々とした捉えどころの無いキャラの入川という役柄に、面白いくらいにピッタリとハマッてるんですよ。“本格演技初挑戦”とは思えない、ホントに面白くて、意外で見事なマッチングでございました。ただ関西人である吾輩的には、この人の“棒読み標準語”を2時間40分も聞いているのは、相当に背中がこそばゆ~かったですけどね(^^;。
「カラスの親指」は、明日11月23日(祝・金)~全国ロードショーです。『衝撃のラストには、衝撃のウラがある』←何とも大層なキャッチですが、気楽に楽しんでください。そして見終わった後に案外ほっこり出来る“驚きの結末”を、あなたも是非!映画館でごらんください。くれぐれも、トイレは済ませてからね!
~追記~
“カラス”とは、プロの詐欺師のことなんだそうです。“サギ”なのに“カラス”とは、これ如何に…(^^;?
~追記②~
ショージさん演じる“入川”は、“いりかわ”ではなく“いるかわ”と読みます。これがラストに繋がるポイントの1つでございます。あとは実際にご覧になって…。
・カラスの親指@ぴあ映画生活
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