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「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」…『お前も不幸にしてやろ~か!』

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 『世界的ベストセラー、映画化!』最近、よく聞くこの台詞。今回は「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」(アスミック・エース)でございます。と言われましても、相変わらず吾輩は原作を知らぬままに観に行きました。果たして、これが吉と出たのでしょうか…?

 
 ボードレール家には、3人の子供達がいた。長女ヴァイオレット(エミリー・ブラウニング)は、発明の天才。日常生活に役立つものを、次々と発明していた。長男のクラウス(リーアム・エンケン)は本が大好きで、読んだ知識は全て頭の中にインプットされていた。そして末っ子のサニーは、とにかく何でも噛むことが好きで、まだキチンとした言葉が話せず奇妙な言葉で会話する女の子だ。何不自由無く暮らしていた子供たちに、或る日突然、大きな不幸が襲い掛かる。何と家が全焼し、両親が焼死してしまったのだ。いきなり孤児になってしまった三姉弟妹は、遺産管理人のミスター・ポー(ティモシー・スポール)に連れられて、遠縁の親戚であるオラフ伯爵(ジム・キャリー)の許へ預けられるのだが…。


 え~とね、はっきり言ってファンタジーっていうより、“児童虐待”のオン・パレードって感じですね(笑)。“次々と降り掛かってくる不幸”ってよりも『単なるイジメじゃね~か?』て思っちゃって、非常に不愉快でございました。『この映画の一体、何が楽しい?』と思いながら観てたのですが、これって作者のレモニー・スニケット(声をジュード・ロウが演じてます)自らが、映画の冒頭で『ハッピーエンドを観たい観客は他の映画を観るように』と言っていたのに、まんまとハメられてるってことやね?何せ、この映画は「世にも不幸せな物語」なわけで、不快感や悲しみが増せば増すほど、製作サイドの思うツボってことですから…。

 ジム・キャリーは、やっぱり名優であり“怪優”でありますな。まじめな作品での抑えた演技(吾輩はコチラの方が好き)もイイけれど、こういった“メークバリバリ、オーバーアクト”でも充分にその持ち味を発揮してくれます。本人も、演ってて楽しいんでしょうね。で、それに輪を掛けて今回、迷(?)演技を見せてくれるのが、あの大女優メリル・ストリープ様でございます。『あんた、何演ってんの(笑)?』と思わず、ツッコんでみたくなるような登場の仕方。シリアスからコメディまで、さっすが大女優!演技の引きだしの数の多さには、脱帽いたします…。

 
 そんな訳で「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」…長い!略して「レモふし」!は、ただいま全国好評上映中です。三姉弟妹がどんなに不幸なのか、映画館で是非ご確認下さい。
by mori2fm | 2005-05-08 01:28 | 映画評 外国映画 ラ行