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「Shall we Dance?」日米の決定的な違いとは…。

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 ホラー映画以外でのリメイクってのが、何か嬉しい「Shall we Dance?」(ギャガ・ヒューマックス)。観る前から、何かウキウキしてましたよ。モチロン始まってからも…。

 
 ジョン(リチャード・ギア)は遺言書作成専門の弁護士。デパートで働くキャリアウーマンの妻、ビヴァリー(スーザン・サランドン)と2人の子供に囲まれ、幸福に暮らしていた。或る日、仕事帰りの電車の中から外を眺めていたジョンは、社交ダンス教室の窓辺に物憂げにたたずむ女性(ジェニファー・ロペス)に気付く。『彼女はなぜ、あんなに寂しそうなんだろう?』そう考えた次の瞬間、ジョンは説明の出来ない衝動に突き動かされ、電車を途中下車すると、あろうことかダンス教室に足を踏み入れてしまう。こうして、ひょんな行き掛りからジョンは、毎週水曜の仕事帰りに誰にも内緒で、ダンス教室へ通うことになってしまう。一方、そんな夫の不審な行動に疑問を抱いたビヴァリーは、探偵(リチャード・ジェンキンス)にジョンの素行調査を依頼する…。

 何か観ていて、とっても幸せになれる映画だな~、と思いました。登場するキャラクターがみんな、人には言えない何かを抱えながら、日々を一生懸命楽しく生きているっていうのが、観ていてとても心地よく感じられました。キャストでは、特にオリジナル(日本)版で、竹中直人が演じていた役柄を演じたスタンリー・トゥッチが最高!社交ダンスをしていることがオフィスでバレてしまい、職場の同僚たちからバカにされた時のあの返し技は、日本版では見られない痛快モノです。実はこれまでオリジナル版を、ちゃんと観た事のないままにこのハリウッド版を観てしまいましたが、充分楽しめました。監督がピーター・チェルソムと聞いて、安心していた(吾輩、この監督の前作「セレンディピティ」が大好き!)のですが、その期待に見事応えてくれています。

 で、これを観た後、改めてオリジナル版を観てみました。なるほど確かにこのハリウッド版、オリジナルに非常に近い設定で作られていますね。オリジナルの良い所と、アメリカ的なシチュエーションが上手に融合されたと言えるでしょう。但しキャラ設定では、オリジナル版で役所広司が演じる主人公は、幸せなんだけど、マイホームのローンを抱え、金銭的な余裕はさほど無くダンスのレッスン料の金額を聞いて、ちょっとビビッてしまう…というような設定でした。一方ハリウッド版のリチャード・ギアは、仕事の上でもある一定の成功を収め、キャリアウーマンの妻共々金銭的にも余裕のある生活をしています。それが端的に表れているのが、ラスト近くで出てくるマイカーを洗車しているシーン。役所広司が洗車しているのは、国産の軽自動車。コレに対してリチャード・ギアが洗っているのは、BMWの4駆…。この違いが、作品のテイストの違いとなって表れているような感じがしました。即ち、オリジナルが少々悲哀を感じさせる作りになっているのに対して、ハリウッド版は非常に明るく、軽く作られている…そんな印象を持ちました。ただ、どちらもそれぞれにイイ映画に仕上がっています。こんなリメイクなら大歓迎です。

 ところで、リチャード・ギアは相変わらず、若々しいですね。共演のスタンリー・トゥィチや、リチャード・ジェンキンスの方が実年齢ではギアより若い(!?)んですが、とてもそんな風には見えません。同じ男として、ああいう歳のとり方をしてみたいモンです(絶対ムリ!)。

 「Shall we Dance?」は、ただいま絶賛公開中!前に書きましたが映画館で是非、リチャード・ギアの書割り看板とワルツをどうぞ(笑)!
by mori2fm | 2005-05-13 02:29 | 映画評 外国映画 サ行