2016年 09月 01日
「四月は君の嘘」輝いてる!
原作コミック有り、アニメ化もされた、そして主演が広瀬すず&山﨑賢人。「四月は君の嘘」(東宝)。『さすがにもお、この手の映画の作り方はどうなのさ?』と思いつつ、さして期待もせず(まあ、偉そうに)に見させていただいたのですが、これがまあ…。
かつて正確無比な演奏で、幼くして数々のコンクールを席巻し、“神童”“ヒューマンメトロノーム”と称された天才ピアニスト・有馬公生(山﨑賢人)は、指導者であった母・早希(壇 れい)の死をきっかけに、ピアノの音が聞こえなくなり、弾けなくなってしまう。高校2年生の4月、公生は幼馴染の澤部椿(石井杏奈)と渡亮太(中川大志)を介して、同級生の宮園かをり(広瀬すず)と出会う。コンクールでヴァイオリニストであるかをりの演奏に触れた公生は、その破天荒で自由な演奏に惹かれていく。そんな公生をかをりは強引に伴奏者に指名する…。
毎度のことですが、吾輩は原作未読です。アニメも見ておりません。で、この作品は非常に高評価な原作(“第37回講談社漫画賞受賞”)から設定が変更されている(原作では主人公たちは、高校生ではなく中学生。他にも重要なキャラクターが割愛されている)らしいですし、アニメの方も評価が高く(”SUGOI JAPAN AWARD 2016 アニメ部門第1位”)、おまけにキャスティングが思わず吾輩も『またか…?』と呟いてしまった顔ぶれだっただけに、冒頭に書いたような思いで鑑賞に臨んだのですが、これが予想外に(失礼!)良かった!下手な予備知識入れずに見に行ったのが幸いしたのか、ラスト近くでは吾輩、号泣寸前まで追い込まれてしまいました。そりゃあ“原作LOVE”でず~っと思い入れを持って見守られてきた方々からすると、恐らくこれは“原作レイプ”以外の何物でも無いのかも知れません。しかし、まったく初めてこの作品に触れた吾輩から言わせてもらいますと、単純にこの手の“青春映画”として良作に仕上がっていると思いました。
広瀬すず、山﨑賢人は両名共にイイです!輝いてます!すずちゃんの天真爛漫&明朗快活から、やがて病に侵されていくも懸命に生き抜こうとしていく様が実に健気で儚げで、今の彼女の等身大の魅力にピタリとハマッていてイイ!片や山﨑君は今回の公生というキャラに、思いのほかマッチしていました。これまでの彼の演技からすると、少々ミスキャストかな?とも思えてたのですが、ハジケたすずちゃんとは逆に抑えめの演技が、イイ感じにハマッていたと思います。但し、もお高校生はやらん方がイイとは思いましたが…(^^;。で、この2人は演奏のシーンでも相当に頑張ったみたいで、それは映像をとおして充分に伝わってきます。まあ100%全てを彼等が演奏していたとは思いませんが、アレだけ出来れば全然OKだと思いました。
昨今のこの手の“漫画原作映画”としては珍しい(?)ことに、この作品は“少女コミック”ではなく“少年漫画”が原作なのです(月刊少年マガジンに2011.5月~2015.3月まで連載)。だから、オッサンの吾輩が涙してもイイよね(^^;?
良い映画だったとは思いますが、最近少し乱発気味のこの手の映画の作り方には少々疑問を感じます。前述したように、制作ニュースを聞いただけで『またか…』と思ったことは事実ですし、この後も主演の2人が出演する映画はメジロ押し。売れていることはイイことだとは思いますが、食傷気味に思う人がいることも事実ですし、そうなると逆に見に行こうと思わなくなる人も出てくると思うんですよ、『どうせ、また同じ感じでしょ?』て。そんな色眼鏡で見に行かれると、映画も役者も可哀想ですよね?こんなこと言ってる吾輩も、今回は色眼鏡掛けて見に行きましたので、偉そうなことは言えないのですが、この映画はその色眼鏡をふっ飛ばしてくれるだけの1本に仕上がっています。原作ファンの方も、『これは原作とは別物』という認識で、1本の独立した映画としてご覧になっていただければと思います。
「四月は君の嘘」は、9月10日(土)~全国ロードショーです。友情、恋、そして音楽…。若い2人が駆け抜ける1年の物語をあなたも是非!映画館でご覧ください。
映画『四月は君の嘘』 - シネマトゥデイ
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