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「ビッグ・フィッシュ」偉大なる父に感謝!

「ビッグ・フィッシュ」偉大なる父に感謝!_a0014708_85754.jpg 映画を観終わった直後は大丈夫だった。映画館を出て車に乗り込み、エンジンを掛けた瞬間、私の涙腺は壊れた。「ビッグ・フィッシュ」(ソニー・ピクチャーズ)大人が泣けるお伽話。いい映画…泣きながら、私も父のことを考えた。

 子供の頃から、話が好きな父エドワード(アルバート・フィニー/若き日をユアン・マクレガー)の、どこまでが本当なのかわからない話を山ほど聞かされてきたウィル(ビリー・クラダップ)は、いつしかエドワードとは正反対の、現実主義的な青年に成長した。ウィルの結婚式で、相変らず昔と同様の話をするエドワードに対して意見するウィル…それが、彼の愛情の大きさである事に気付かないまま…この日を境に、親子の間には決定的な溝ができてしまう。それから3年が過ぎた或る日、ウィルの元へ「エドワードが病で倒れた」という報せが入る…。

 私の父は作中のエドワードのような、突飛な人間ではない。むしろ仕事に人生を捧げ、そうすることで家庭を守ってきた人だ。私はこんな父の思いをわからないまま、殆んど家にいない父を疎ましく思っていたものだ。しかし、社会人となり家庭を持ち、親となった今日に至ってようやく“父親の偉大さ”というものに気付き、当時の父に対する思いを恥かしく感じるようになった。

 家族性というものは、それぞれの家族において親から子へ、子からそのまた子へ継がれてゆくモノだと私は思う。作中エドワードが話していたお伽話のような物語は、ウィルからウィルの子へと語り継がれてゆく。ウィルがエドワードの“大切さ”に気付くのは、不幸にもその最期の瞬間だった。幸いにも私の父はまだ健在である。これを機会に父との絆を更なるものに深めてみようと思っている。私と同世代の方々(特に男性の方の場合)はこの映画を観終わると、私の感想に近いものをお感じになるのではないでしょうか?

  「ビッグ・フィッシュ」は現在、全国主要劇場にて絶賛上映中です。
  “ティム・バートン最高の、感動作!!”このキャッチに偽りはございません!
 
by mori2fm | 2004-05-27 00:43 | 映画評 外国映画 ハ行