「ヘンダーソン夫人の贈り物」人生って、素晴らしい!!

 『イギリスに初めてストリップ劇場を作った、夫人の物語』←こんな、とてつもなくエエ加減な予備知識をもったまま、この映画を観てしまいました…「ヘンダーソン夫人の贈り物」(ディーエイチシー)。これがなかなかどうして、素晴しい“人生賛歌”でございました。


 1937年イギリス・ロンドン。夫を亡くし、その莫大な遺産を引き継いだローラ・ヘンダーソン(ジュディ・デンチ)は、暇をもてあましていた。ある日、偶然通り掛かった劇場が売りに出されているのを知ったローラは、その劇場(ウィンドミル劇場)を買収。ユダヤ系のヴァンダム(ボブ・ホスキンス)を支配人に迎え、劇場の再建に乗り出す。新生オープンした劇場は、ヴァンダムの発案した“ノンストップレビュー”が注目され上々のスタートを切るが、やがて他の劇場がそれを真似て追随すると、一気に客の入りは鈍化。見かねたローラは、ウィンドミル劇場でイギリス初の“ヌードレビュー”を見せることを提案する…。

 冒頭のような軽い気持ちで観に行っちゃったんですよ。で、途中までは結構ホノボノとしてまして、“古き良き時代のヨーロッパ・ホームコメディ”てな感じで、時折“クスッ”と心温まる笑いも惹き出されておりました。ところが中盤以降…即ち、戦争(この場合、第2時世界大戦=対独戦争)が烈しくなり、ロンドンが空襲にさらされるようになるあたりから作風がガラリと一変。戦争が生み出す悲劇を描きながら、“生きることの素晴らしさ”を映画の中で説いていきます。特に安全性を考え、劇場の閉鎖を通告に来た政府の長官と、劇場前で順番を待って並ぶ兵隊たちに向けて、ヘンダーソン夫人が何故劇場を買取り、ヌードレビューを見せようと思ったかを語るシーンには、思わず涙してしまいました。夫人の言葉は、純粋な男たちの想いを見事に言い当て、なお且つ母親のような愛情で包み込んでくれています。このシーンは、ホントに素晴らしい!!


 男(兵士)は、女性につかの間の安らぎを求め、女性はそれを優しく受け止める。やがて男は、戦地へと旅立つ…。現代のような殺伐とした時代に生きる我々に、“純粋に生きていく人生”が如何に素晴らしいかを、この映画は教えてくれます。


 映画の中で、劇場のシーンとして描かれる数々のレビューのシーンは、見ていてとても心が躍らされます。そして互いに憎まれ口をタタキながらも、それぞれを“パートナー”として認め合い“劇場”という舞台で“人生”という芝居を演じたヘンダーソン夫人と、支配人・ヴァンダム。この主役を演じた2人の“大御所”ベテラン俳優、ジュディ・デンチとボブ・ホスキンスの骨のある演技合戦も、この映画の見所です。

 

 「ヘンダーソン夫人の贈り物」は、ただいま全国順次拡大ロードショー公開中です。この可笑しくも哀しい“人生賛歌”を是非、映画館の大スクリーンで、ご覧ください。

「ヘンダーソン夫人の贈り物」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

ヘンダーソン夫人の贈り物@映画生活


 ~追記~この映画、原題は「MRS HENDERSON PRESENTS」。物語の内容を考えると、邦題もこのままの方が良かったんじゃないでしょうか…?
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Commented by snowdrop99 at 2007-01-24 12:08
presentsって贈り物って意味もありますが、
この場合、違いますよね?
Commented by mori2fm at 2007-01-25 00:41
>雪様。そうなんですよね。この場合“提供”って意味になると
思いますので、“贈り物”ってのはね~。
by mori2fm | 2007-01-22 22:29 | 映画評 外国映画 ハ行 | Trackback | Comments(2)

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