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「ミッドナイト イーグル」男のロマン~!!

 厳冬の北アルプスを舞台に、国家存亡の危機に立ち向かう男たちを描いたアクション巨編、「ミッドナイト イーグル」(松竹)L.Aでワールドプレミアをやっちゃうなど、かなり気合が入っておりますが、果たして出来上がりの程は如何に?


 戦場カメラマンだった西崎優二(大沢たかお)は、戦場での或る出来事が原因で、心に深い傷を負う。それ以来雪山に籠もり、星空にシャッターを切る日々を過ごしていた。優二が山にいる間に、妻・志津子は病を患うが、その事を西崎に明かさぬままこの世を去る。志津子の妹で、週刊誌の記者をしている慶子(竹内結子)は西崎を責め、彼の息子の優(佐原弘起)を引取り育てることに。ある夜、いつものように雪の北アルプス山中で星空を撮っていた西崎は、轟音と共に飛び去る赤い光を目撃。その姿をカメラに収める。その頃、内閣総理大臣・渡良瀬(藤 竜也)の許に『米軍のステルス爆撃機“ミッドナイトイーグル”が北アルプス山中に墜落した』という報せが入る。渡良瀬は機体回収のため、自衛隊の特別部隊を現地に派遣する。一方西崎の撮影した写真を見た、彼の後輩で新聞記者の落合(玉木 宏)は、その光の正体を探るべく、西崎を北アルプスへと誘う。そして東京では慶子が、米軍横田基地に侵入した工作員と接触。その工作員の口から、驚愕の事実を聞かされる…。


 この手の作品を日本映画が作ると、これまであまりロクなことがない(話のスケールに、映像が付いて行けてない。SFXが妙にショボい…etc)ような気がしまして、この映画も観るまでかなり不安でございました。で、実際に観てみますと、残念ながら、かなりの部分でこの不安は的中してしまっております(>_<)。『墜落したミッドナイトイーグル(のセット)が、哀しいほどチャッちい!』とか『銃撃戦のシーンが、Vシネマみたい』と言った映像に関するツッコミに始まって、『何で北アルプスに、あんなにウジャウジャ工作員がおるん?』『自衛隊、弱すぎ!』と言ったストーリーへのツッコミ。そして極め付けは『国家存亡の非常事態の記事を取材する記者役が、何で竹内結子やねん??リアリティ無さ過ぎ!』という、基本設定へのダメ出し(^^;。『ガンバってはいるんやけど、やっぱり難しいのかな~。残念やなあ』という思いを抱えて、観ておりました。
 が、しかしこの映画ラスト30分の辺りから、観ていて思わず目頭が熱くなってしまうようなシーンが展開されるのです!そうそれは『俺たちのことは構わず、敵を倒せ!』というお決まりのパターンではあるのですが、この“愛する者の為に払う自己犠牲の精神”というモノに、吾輩特に弱いのです。大沢たかお演じる西崎と吉田栄作演じる佐伯三佐が、敵と繰り広げる“立てこもり銃撃戦”のシーンには、あの名作「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」に於ける、真田さんと斎藤の白色彗星内部での壮絶な絶命シーンを彷彿とさせ、吾輩試写室で思わず号泣一歩手前まで行ってしまいました。これは、男の命を懸けたロマンを描いた、壮絶な映画です。だからこそ余計に、そこへ行くまでの過程が残念ですね。ホント、ガンバッてるのはとてもよくわかるんですが…。

 「ミッドナイト イーグル」は、11月23日(祝・金)から全国ロードショーです。愛する者のために戦う男たちの生き様を、あなたも是非映画館で目撃してください。

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by mori2fm | 2007-11-08 00:43 | 映画評 日本映画 ま行