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「象の背中」し、しあわせだなあ~!!

 才人、秋元康原作小説の映画化、「象の背中」(松竹)。“不治の病モノ”です。泣かそう泣かそうとしてますが、意外や意外、吾輩クライマックス近くで笑っちゃったんですよ(^^;。


 不動産会社に勤める幸弘(役所広司)は、検査で末期の肺がんと診断され、余命半年の宣告を受ける。延命治療を拒否し、死が訪れる日まで人間らしく生きる決心をした幸弘は、妻・美和子(今井美樹)と、娘のはるか(南沢奈央)には病気のことを伏せる。それは『悲しむのは一瞬の方がいい』という妻子を思っての行動だった。しかし長男の俊介(塩谷瞬)にだけは事実を明かし、『男だから、半年間一緒に背負ってくれ』と頼む。その一方、愛人の悦子(井川遥)には事実を打ち明け、守り続けられない非礼を詫びる。幸弘は、残された日々を今まで出会った大切な人達と直接会って、自分なりの別れを告げようと決意する。それは思いを伝えられなかった初恋の相手(手塚理美)であり、些細なことで喧嘩別れした高校時代の親友(高橋克実)であり、更には、実家を飛び出したきり絶縁状態だった兄(岸部一徳)であった…。


 吾輩この映画を観て、末期がんの患者でありながら、主人公のことを心底羨ましく思いました。献身的な妻、素直な(イマドキ珍しい!)子供たちに恵まれた幸せそのものの家庭を築き、経済的にも安定し、生活には不自由がなく、トドメに美人で若い愛人までいる!健康な時でも、この状況は素晴らしいと思えるのに、それらすべてが、がんになった主人公を全力で支え、見守ってくれるのです。いやあ、素晴らしい!ホントに羨ましい(^^;!!普通、愛人の存在を確信したら、妻なんぞはブチ切れるか、看病なんぞほったらかしてバックレまっせ!何て出来た奥さんだ…て、言うか少々現実離れし過ぎているような気がしないでもないのですが…。がんになったことは不運だとは思いますが、これだけ皆に愛され、惜しまれ死んでいけるのなら、がんになってもイイかなあ~なんて思ってしまいました。まあ現実的に吾輩は、こんな状況を作り出す“人間力”を持ち合わせておりませんので、実際がんになったら不幸なだけでしょうけどね!

 で、前述した笑っちゃうシーンなんですが…映画の後半、幸弘の病室で妻と愛人が“第3種接近遭遇(^^;”しちゃうのですが、この時の幸弘の表情のおかしなこと!平静を装いながらも、心中オロオロしているのが丸わかりで(役所さん、上手いな~!)、ホント男ってのは情けない生き物だな~と痛感させられました。女の方が肝も度胸もよっぽど据わってますよ。強い!

 この映画は“がん”に向き合う時、『治療だけがすべてではない』ということを教えてくれます。残された時間を、如何に人間らしく悔いなく過ごすかは、自らの決断に掛かっているんだということを。

 「象の背中」は、ただいま全国好評上映中です。人としての幸せな最期を、あなたも是非映画館でご覧になってください。

「象の背中」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

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by mori2fm | 2007-11-08 21:03 | 映画評 日本映画 さ行