カテゴリ:映画評 外国映画 サ行( 58 )

「スノーデン」こんなん、シャレにならんて…。

[スノーデン] ブログ村キーワード
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 史上最大の内部告発を行なったエドワード・スノーデンの人物像に迫る本作「スノーデン」(ショウゲート)。果たして彼は“英雄”なのか?それとも“裏切り者”なのか?


 2013年6月3日、香港のホテルのロビーに1人の青年が現れた。ドキュメンタリー作家のローラ・ポイトラス(メリッサ・レオ)、ジャーナリストのグレン・グリーンウォルド(ザカリー・クイント)を自分が宿泊するホテルの一室に招き入れた彼は、ポイトラスが回すカメラの前でエドワード・スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と名乗る。CIAとNSAに勤務していたと言うスノーデンは、アメリカ政府による諜報活動の全貌を、自らが積み上げてきたキャリアに順じて語り始める。9.11同時多発テロに衝撃を受けたスノーデンは、国家の役に立ちたいと軍への入隊を志願。しかし訓練半ばで足を負傷し、除隊を余儀なくされる。その後CIAの採用試験に合格したスノーデンは、コンピュータの知識を買われ、指導教官コービン・オブライアン(リス・エヴァンス)からも評価される。やがてSNSで知り合ったリンゼイ・ミルズ(シャイリーン・ウッドリー)と交際を始めたスノーデンは、ジュネーヴにあるアメリカの国連代表部に派遣される。そこでNSAの極秘検索システムの存在と、それを使った情報収集の驚愕の実態を目の当たりにしていくのだった…。

 この映画は、第87回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した「シチズンフォー スノーデンの暴露」を実際に香港で撮影したシチュエーションと、スノーデンの歩んできた半生とを克明に描き出しています。この事件(告発)自体が、まだ比較的最近(2013年)の出来事なので、ニュースとしては皆さんの記憶にも新しいことだと思われます。しかも渦中のスノーデン本人は、現在ロシアで逃亡生活中。そんな状況で商業映画を撮ってしまうんですから、やはり恐るべしハリウッド!で、こういう映画を撮らせるならやはりこの人、テッパン中のテッパン!オリバー・ストーン監督。『やはり』と言うべきか、『またか』と言うべきか(^^;。しかし最近の監督の作風とも言える感じの、エネルギッシュな内容を非常に抑えた感じで映し出しているという感が、今回のテーマに非常にマッチしているような気がします。一時の跳ね上がった感のあった作風が年齢と共にイイ感じで落ち着いてきている(監督も、もお70歳!)。それがこの映画には、良い方に作用していると思います。

 吾輩、スノーデン氏は映像でしか知りません(いや、世界の殆どの人がそうでしょう(^^;)が、その映像からだけの判断ですが、主演のジョセフ・ゴードン=レヴィットは、ま~似てます!かなりリサーチしたんでしょうね。で、単なるそっくりさんになっていないところが、彼の役者としての凄いところで、歴史に名を残すようなことをやらかした男も、実は単なる国を愛し、1人の女性を愛した普通の青年であったという姿を、見事にスクリーンに再現しています。またヒロイン役のシャイリーン・ウッドリーも『ん?ちょっと若過ぎない?』と思って見てたんですが、何の何の。スノーデンの人生にとって、多くの部分を占める最愛の人を熱演しています。聞けばこの役を演じる為に自ら監督に手紙を書いたそうで、その辺りの情熱もキチンと反映されていますね。

 しかし、この映画の中で明かされる情報収集能力のなんとも恐ろしいこと!まさに“戦慄”ですよ。その気になれば世界中の誰の情報でも、簡単に引っ張ることが出来るのです。今、こうやってPCの前でこの文章を入力している吾輩の姿も、その気になれば連中は見る事が出来ちゃうそうです。『そんなこと言っても、こんな吾輩のことなんぞ誰も知りたくもないし、知ろうともせんわな~』と思いがちですが、その気になればいつでも誰のことでも調べることが出来る…。そんな体制が存在すること自体が、恐ろしいことだと思うのですよ。だから本当に“戦慄”です。

 結局のところスノーデンは、“英雄”なのか?“裏切り者”なのか?これはもおスノーデン氏ご本人がツイッターの自己紹介文に書いておられる文章が、その答えになっているような気がします。曰く“I used to work for the government. Now I work for the public. ”=「かつては政府のために働いていました。いまは人々のために働いています」


 「スノーデン」は、明日1月27日(金)~全国ロードショーです。“史上最大の内部告発者”その半生、真実、素顔をあなたも是非!映画館でご覧ください。

映画『スノーデン』 - シネマトゥデイ

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by mori2fm | 2017-01-26 22:20 | 映画評 外国映画 サ行 | Trackback(14) | Comments(2)

「スター・トレック BEYOND」新たなる旅立ち??

[スター・トレック Beyond] ブログ村キーワード
a0014708_22181225.jpg 『宇宙、そこは最後のフロンティア』シリーズ誕生50周年、シリーズ劇場版第13作。「スター・トレック BEYOND」(東和ピクチャーズ)。“老舗・宇宙SF大河ドラマ”の最新作。今回もお楽しみが満載です。


 5年間の深宇宙探査に就いてから3年。惑星連邦所属の宇宙船“USSエンタープライズ”は、最新鋭の巨大宇宙基地“ヨークタウン”へ寄港する。日々の緊迫した任務から解き放たれ、つかの間の休息に浸るクルー達。しかし艦長のカーク(クリス・パイン)は、或る思いを胸に艦を降りる決意を固めていた。そこへ未踏の惑星に不時着した探査船から、救難信号が入る。直ちに救出に向かったエンタープライズは、突如正体不明の敵から攻撃を受ける。無数の攻撃機に対して懸命の防戦を試みるも、壊滅的なダメージを受け、航行不能に陥るエンタープライズ。カークは艦を捨てる決断を下し、クルー達は脱出ポッドで散り散りに惑星に向けて降下して行く。果たして、艦を失ったクルー達の運命は?そして謎の敵の正体とは?…


 J・J・エイブラムスによってリブートされてからの第3弾となる本作。前2作でメガホンを取ったJ・J・は、今回“製作”に回りました。「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」で忙しかったんでしょうね(^^;。で、代わって監督を務めたのは「ワイルド・スピード」シリーズのジャスティン・リン。前2作がオリジナルの「スタートレック」(←余談ですがリブート前のシリーズは“スター”と“トレック”の間に“・”は入りません…)のエピソードや小ネタを随所に織り込んで、上手に作品として昇華されていましたので(「スター・トレック」は今でも“傑作”だと思いますし、続く「スター・トレック イントゥ・ダークネス」の作中でカンバーバッチが本来の役名を口にした瞬間、吾輩映画館で思わず『おお~!』と声を上げてしまいましたから…)、果たしてこの監督交代は作風にどんな影響を与えるのか?という興味と不安を抱えて吾輩、試写に臨みました。結論から言いますと、これまでのシリーズではお目に掛かったことのないような、スピード感溢れるアクション・シーンがテンコ盛り!従来の「スタ・トレ」は宇宙SFドラマとはいえ、“宇宙船での出来事”や“宇宙空間での出来事”がメインとなっていましたので、どうしても展開するアクションが大雑把でユルいという印象がついておりました(所謂“大艦巨砲主義”…(違)。だってしょうがないんですよね、「スター・ウォーズ」と比すると、このシリーズには“戦闘機”が出てきませんし、艦隊戦を行なってるエンタープライズなどの宇宙船もあくまで“宇宙船”であって、“宇宙戦艦”ではないのです。この前提条件の下でシリーズは展開してきたわけですから…。それが今回はハイ、まるで「ワイ・スピ」です(^^;。地上でバイク・アクション!?24世紀の宇宙が舞台の映画で??。まあ、いい悪いはともかく前2作がこれまでのシリーズに考慮しつつ作られていた感(別に遠慮していたわけではないと思いますが)が、結構感じられたのに対して本作ではリブート3作目にして、遂にまったく新しいシリーズとして、1人立ちしたようなそんな感じがしました。ですから、『「スター・トレック」?お約束事が多すぎて…』と、これまで鑑賞する気にさえならなかった皆様でも、充分に楽しめる内容になっております。
 とは言ってもシリーズのお約束も、キチンと押さえられておりますから、元来の「スタ・トレ」ファンの皆様もガッカリなさらないでください。ちゃ~んとクスクス出来るシーンはございます。特にスポック(ザッカリー・クイント)のウフーラ(ゾーイ・サルダナ)への“性癖”(?)が暴露されるシチュエーションなどは、爆笑必至。更には思いも掛けない、ボーンズ(カール・アーバン)大活躍!も笑わせてくれます。スコットを演じているサイモン・ペッグが、本作では共同脚本を手掛けているというのも安心のクオリティかと。 
 また今回結構早々に“エンタープライズ爆沈”のシーンが有り、配給の東和の担当の方は『結構衝撃的ですよね』と仰ってましたが、これも「スタ・トレ」ファンからすれば見慣れた光景(^^;ですよね?主役メカ爆破、都合何度目??あ、今回もチャンとお約束は守られておりますので、ご安心を…。

 カークを始めとした主要キャストは全員続投。益々シリーズ継続に伴って、結束力が増していきそうですね。ただ本当に残念なのは、チェコフ役のアントン・イェルチンが、本作の撮影後に事故でこの世を去ったこと。今回もとてもいい味出していたので、本等に残念です。まだまだこれからなのに…。そして本作の制作中にはオリジナルでスポックを演じたレナード・ニモイも亡くなりました。“スポックの死”は作中にも描かれています。エンド・ロールでは2人の俳優に対するメモリーも記されています。
 今回、謎の敵役クラールを演じたのは、「パシフィック・リム」の司令官役でお馴染みイドリス・エルバ!。そしてもう1人の謎のエイリアン女戦士・ジェイラを演じたのは「キングスマン」の義足の暗殺者、ソフィア・ブテラ!何ともマニアックなキャスティング(^^;。両者共に熱演されてますが、このシリーズのお約束で敵キャラ、エイリアンなどを演じると、特殊メイクのために殆ど『あんた誰?』状態になってしまうのです(前作のカンバーバッチは除く)。ここらは毎回思いますが、少々お気の毒。でもクラールは…、≪ネタバレ!≫“ジャミラ”だったんですね~(爆)。

 「スター・トレック BEYOND」は、明日21日(金)~全国ロードショー。新たな魅力満載!SF大河ドラマ“老舗”の真骨頂を、あなたも是非!映画館でご覧ください。

~追記~
 前作「…イントゥ・ダークネス」で登場したキャロル・マーカスを演じたアリス・イヴの再登板が叶わなかったことは、残念でした。新たなレギュラーキャラ登場の予感と、ストーリーの広がりが期待出来たので…。

~追記②~
 今回の謎の敵キャラ・クラールは、ロミュランでもクリンゴンでもありません。そういったところも、新シリーズたる所以かと思う反面、このままではクリンゴンの存在価値は…と、不安になります。

映画『スター・トレック BEYOND』 - シネマトゥデイ

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by mori2fm | 2016-10-20 23:35 | 映画評 外国映画 サ行 | Trackback(26) | Comments(6)

「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」ヒーロー同士の凹り合い!

[シビル・ウォー] ブログ村キーワード
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 “マーベル・シネマティック・ユニバース 第13弾!”「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン)。シリーズもここまで来ると、憶えておかないといけない“予備知識=お約束事”がテンコ盛り!オジサンには、正直ツライわ(^^;。


 キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)率いる“アベンジャーズ”は、クロスボーンズ/ブロック・ラムロウ(フランク・グリロ)によるテロ行為制圧のため出動したナイジェリアで、スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)のミスにより、一般市民に犠牲者を出してしまう。過去の活動からの被害事象を鑑みたロス長官(ウィリアム・ハート)は、国連の監視下にアベンジャーズを置き、許可なしでの活動を禁止する「ソコヴィア協定」の作成を決断。ウルトロン計画の失敗に強い後悔の念を抱く、アイアンマン/トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、即座に協定へのサインを決断。ブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)、ウォーマシン/ジェームズ・“ローディ”・ローズ(ドン・チードル)、ヴィジョン(ポール・ベタニー)もこれに倣うが、スティーブは「個人の行いは個人で責任を持つべき」という信念から、協定に強く反対し、ファルコン/サム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)とワンダもそれに同調する姿勢を示す。そんな折、ウィーンで行なわれていた協定の調印式を狙った爆破テロが発生。監視カメラに映っていた映像から、容疑者はスティーブの旧友であるウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)と判明する…。


 マーベル作品は、大好きです!映画も全部見に行っています!とは言え、吾輩そんなに“アメコミ・マニア”ではございませんので、各キャラクターのコアな設定までは把握しておりません。ですから正直「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」を見てる辺りから、『え~と、何でこれはこうなってるんやったっけ~??』って思うシーンが多々出てくるようになっちゃいました。ですから、さすがに『今回初めてマーベル作品を見るんですう~』なんて人は、ほぼさっぱり理解できんと思います。こりゃもおしゃあないですわ。吾輩出陣前(?)に「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」は、ちゃんと復習(うん?この場合は予習か??)のつもりで見てから鑑賞に臨みましたので、今回は結構『あれ?』って事無く最後まで楽しめました。
 ストーリー的には、ヒーロー同士の対立を軸に描いている(“チーム キャプテン・アメリカ”VS“チーム アイアンマン”)んですが、ストーリーを深く掘り下げれば掘り下げるほど今回アイアンマン/トニー・スタークの絵に描いたような“ダメ人間っぷり”が明らかになってしまいます。そう、とっかかりの対応と言い、途中でチョット修正したかなあ?と思えたのに、最後にまたあんな…、ダメじゃん(^^;!それに比してキャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースのまあ何と人間の出来てること!ホンマにこの人、いい人!エゴなんぞまるで無関係で、己の信念を信じて行動し続ける素晴らしい人格者。リーダーとはこう有るべき!ってのを体現してますよね。何とも対照的な2人ですが、冷静に考えてみれば、キャップはもお“90歳オーバー”の立派な“後期高齢者”な訳ですから、それも道理かな?と…(違)。
 で、タイトルこそ「キャプテン・アメリカ」と付いておりますが、果たしてこれが『「アベンジャーズ」とどこが違うねん?』と言われると、吾輩も『?』でございまして、何しろヒーロー総出演してる感じがしますので、変わらんな~と思ったりもするのですが、『そう言えば“ソー”と“ハルク”がおらんな~』ってことにロス将軍の台詞で気付かされますので、こりゃあやはり「アベンジャーズ」ではないのかな?と納得した次第でございます(う~ん、どっちでもイイっちゃあ、どっちでもイイんですけどね…(^^;)。
 ヒーロー同士の戦いのシーンも、今回初登場のブラックパンサー/ティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)や、2度目の登場アントマン/スコット・ラング(ポール・ラッド)などを加えて、よりバラエティに富んだ迫力満点の仕上がりになっております。ただこちらも初登場の“新”スパイダーマン/ピーター・パーカー(トム・ホランド)ですが、ごめん…正直あんなんで大丈夫か~?これまでの「スパイダーマン」シリーズを見てきて、お気に入りだった吾輩的には、何とも非常に頼りない感じに映りました。何でも原作アメコミのイメージには今回最も近い(戦闘中、喋りまくったりしてるのが)らしいのですが、新シリーズが始まるというこの先ホントに大丈夫かなあ?何より今回、メイおばさん役でマリサ・トメイが出てきたのには更にビックリしましたわ!エラい若くてチャラい(!)おばさんやがな。こっちの方が心配やわ(^^;。あと今回のお話をウラで操る人物として、ジモ大佐(ダニエル・ブリュール)ってのが出てきまして、ヒーロー達はまんまと彼の計略によって動かされていくのですが、その筋書きってのが…手が込みすぎ!あんなに考えたとおりに、チャッチャと事が運ぶか~?しかもやたらと複雑に入り組みすぎてるし、もし最終的にそこまで誰も気付かなかったら(誰もシベリアへ来ない(^^;)、どないする気やったん…?って、ツッコミたくなりましたわ。
 空を飛んだり、矢を放ったり、小さくなったり、ビームぶっ放したり…etc,etc、みんな色々やらかしますが、どんなに武装してても最後はやはり“肉弾戦=凹り合い”なんですね。“強化人間 VS 鋼鉄男”が殴りあうと、あんな感じなんですね~。いやはや痛々しい限りで、友情を復活させるには、あのくらい殴り合わないとイカンのですかね?常人なら死んでますって!

 毎度お馴染みスタン・リー翁のカメオ(?)出演ですが、今回はすっごくわかり易い形でご登場です。更にはこちらもお馴染み、エンドロールが終わっても立っちゃダメよ!は今回もございます。これだけ有名になってるのに、それでも早々に帰っちゃう人がいるのは残念ですね~。損してまっせ~!

 「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」は、ただ今全国ロードショー公開中です。ヒーロー同士のバリエーションいっぱいのぶつかり合いを、あなたも是非!映画館でご覧ください。

~追記~
 今回、ポイントが貯まっていたので“IMAX”にて鑑賞したのですが、そんなに感動しませんでした。やはり映画は“2D”でじっくり見るのが一番良いかと…(あくまで個人的な感想です!)。

映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』 - シネマトゥデイ

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by mori2fm | 2016-05-05 20:54 | 映画評 外国映画 サ行 | Trackback(33) | Comments(4)

「スポットライト 世紀のスクープ」強大な権力の闇を暴く“光”

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 アカデミー賞 作品賞&脚本賞 W受賞!「スポットライト 世紀のスクープ」(ロングライド)。キリスト教社会の“絶対的タブー”に、果敢に挑んだ地方新聞社の実話を映画化。華は無いけど、真面目な作品です。


 2001年、夏。アメリカ東部の地元新聞社“ボストン・グローブ”の新任編集局長として、マイアミからマーティ・バロン(リーヴ・シュレイバー)が赴任。最初の編集会議で目玉になる記事の材料を物色し、ゲーガンという神父による子どもへの性的虐待事件に着目。これを追跡調査する方針を打ち出す。読者の半数以上がカトリック教徒のボストン・グローブにとって、その行為はあまりにもリスクが大きく、ヨソ者でユダヤ人のバロンは、反対意見を強気で押し切る。そしてリーダーのロビー(マイケル・キートン)を中心に、マイク(マーク・ラファロ)、サーシャ(レイチェル・マクアダムス)、マット(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)の4人から成る、特集記事欄《スポットライト》を担当する記者たちが取材を開始。やがて彼等は事件の背後に隠された巨大な疑惑の核心へと迫っていくのだが、それは当初の予想を遥かに超えた、想像を絶する事態であった…。


 いい映画でした。敢然と社会の不正に立ち向かった新聞記者たちの事実の物語を、ドキュメンタリーではなく、真摯に“商業映画”として作り上げていることに先ず好感が持てました。前述しましたが、決して華は無いのですが、極めて健全且つ堅実な映画だと言えると思います。ただ、キリスト教社会で生活している訳ではない我々日本人からしてみますと、どうしても欧米の皆さんがこの映画をご覧になって受けたインパクトを実感できないモンですから『今年のアカデミー賞獲った映画やで』って言われても、恐らく『あ、そう。ふ~ん、いい映画なんやね』程度の反応にしかならんのだろうと思われます。ですから正直日本では興行的に大ヒット!というのは望めないでしょうね。まあしかたのないことではありますが、ここらは残念だなあと思います。
 ただ、普段キリスト教に接していない我々が見ても『神父が長年に亘り、児童に手を出していた。そしてそれを教会が組織的に隠蔽してきた』というゲスなお話は、充分に衝撃的ではありますし、恐らくこの事実が白日の下に暴露された当時、彼の国ではトンでもない騒動だったんだろうな~ってのは、想像がつきます。そして恐らくある程度時が過ぎ、少々治まってきたな~と思っていた頃に、今回の映画の公開。正に教会的には古傷をえぐられるような感覚だったのではないでしょうか?でも、こういう事件・事実は決して風化させてはならないと思います。そういう意味では、この映画が製作された意味は極めて大きくて、重要な物だと思います。

 非常に真面目でデリケートなテーマを扱っているだけに、キャストの方も個性の強い派手な主演俳優を起用するのではなく、チームとして個々の演技が際立つ面々を配して壮大なテーマに、正に総力戦で挑んでいます。それは主演であるはずのマーク・ラファロが、アカデミー賞で助演男優賞にノミネートされたことからも、この映画の成り立ちが示されているような気がします。また紅一点のレイチェル・マクアダムスは、いつもの“キュートな女の子”演技を封印し、ひたすら地味で実直な記者の役を熱演しています。そしてあくまでも結果論ではありますが、2年連続でアカデミー賞作品賞受賞作に出演することになったマイケル・キートン。今回の彼は前作「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のどちらかと言うと、オーバー・アクト気味な演技とは打って変わって、“記者のリーダー”という役を非常に抑えた演技で熱演しています。吾輩どちらかと言えば今回のマイケルの方が好感持てました。イイですね、このところの復活気味の活躍は、嬉しい限りです。

 しかし冷静に振り返ってみますと、聖職者達ってのは何で揃いも揃って、児童博愛(別の意味での)主義なんでしょうね?教会が組織ぐるみで長年隠蔽しないといけないなんて、そんなにスキモノばかりが集うってのには、根本的な組織の問題点が存在するような気がします。ああ、考えただけでも身の毛がよだつ…。


 「スポットライト 世紀のスクープ」は、ただいま全国公開中です。神の領域に、正義を持って立ち向かった新聞記者たちの真摯な闘いのドラマを、あなたも是非!映画館でご覧ください。


映画『スポットライト 世紀のスクープ』 - シネマトゥデイ

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by mori2fm | 2016-04-17 21:59 | 映画評 外国映画 サ行 | Trackback(40) | Comments(6)

「幸せをつかむ歌」人生は、ロケンロ~ル♪♪!

[メリル・ストリープ] ブログ村キーワード
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 “名女優”メリル・ストリープ熱唱!&実の母娘共演。「幸せをつかむ歌」(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)。母親のわがままで別れた母娘が、数十年振りの再会。果たして2人は、幸せをつかむことが出来るのでしょうか?


 ミュージシャンになる夢を叶えるため、家族を捨てたリンダ(メリル・ストリープ)。“リッキー・レンダーゾ”と名乗り、自らのバンド“リッキー&ザ・フラッシュ”を率いたリンダは、バーのハウスバンドを務め、貧しいながらも充実した日々を過ごしていた。或る日、元夫のピート(ケビン・クライン)から『娘のジュリー(メイミー・ガマー)が離婚して傷付いている。母親として力になってやってほしい』と連絡が入る。既に再婚して、新しい家庭を築いているピートと3人の子供たちとは長い間連絡を絶ち、距離をとっていたリンダは、家族を捨てて以来数十年振りの帰郷を果たすことに。しかしジュリーにとってリンダは、過去に夢のために家族を捨てたひどい母親で、そのすべてが憎しみと嫌悪の対象でしかなかった。数十年振りの再会を果たした2人。離婚で傷つき閉ざされたジュリーの心は、果たしてリンダを受け入れることが出来るのだろうか…。

 とにかくメリルが凄い!過去にも「マンマ・ミーア!」「イントゥ・ザ・ウッズ」等で歌声は披露していましたが、今回はロック・シンガーです。エレキ・ギターをかき鳴らしながら、シャウト!シャウト!もちろん吹替え無し(!)で、超パワフルに熱唱しております。あんまり言うと怒られます(?)が、1949年生まれですから、もおメリルも70歳のホン手前なんです。でもそんなこと微塵も感じさせず、アメリカン・ロックンロールの数々を本職のバンドも顔負けなくらいに歌いまくります。スクリーンで同じフレームに納まっている、こちらは“本職”のリック・スプリングフィールド(今回、彼は“役者”です)と並んでも遜色ございません。充分“CDデビュー”出来る実力をお持ちだと思います。いやもお、脱帽!
 この映画の話題の1つに“親子共演”が挙げられます。実の親子であるメリル・ストリープとメイミーガマーが、映画の中でもリンダとジュリーという母娘を演じているのですが、いやあ言われてみればよく似てますこの2人(あたりまえか…)。過去にも共演経験はあるそうそうですが、作中で本格的に絡むのは今回が初めてなんだそうです。で、普段は仲の良い2人が今回の役作りのために撮影中は離れ離れにされたそうです。そんなメイミーは、メリルが母親であることを、プレッシャーよりもむしろ誇り・パワーと感じているようです。いいですね、ポジティブで。これから益々キャリアを積んで、大女優への道まっしぐら!って感じで進んでいってもらいたいモンです。
 本作のメガホンを取ったのは「羊たちの沈黙」ジョナサン・デミ、脚本は「JUNO/ジュノ」ディアブロ・コディ。2人はそれぞれ過去に、アカデミー賞“監督賞”と“脚本賞”を受賞していますので、主演メリル・ストリープに“助演男優賞”受賞経験者のケビン・クラインと、オスカー受賞経験者が集結した、随分と豪華な映画になっております。

 ラストは『え~、それで終わらせてしまうのん??』って、ツッコンでしまいそうになるほど、ある意味少々力業で強引にまとめてしまったって印象があるのですが、『音楽(歌)の力って、素晴らしい!』とは感じられる“人生バンザイ映画”でございます。色々、凹んでる人は是非ご覧ください。元気になれることは保証しますよ!

 「幸せをつかむ歌」は、関東地区は既に公開中で、3月19日(土)~全国順次ロードショーです。メリル・ストリープの魂の熱唱を、あなたも是非!映画館でご覧ください。

映画『幸せをつかむ歌』 - シネマトゥデイ

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by mori2fm | 2016-03-16 16:08 | 映画評 外国映画 サ行 | Trackback(6) | Comments(0)

「ザ・ウォーク」高いよ~!恐いよ~!!

[ザ・ウォーク] ブログ村キーワード
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 1974年、当時世界で最も高い建物だったNYのワールドトレードセンターに、1本のワイヤーを張り、その上を歩いて渡った男がいた。男の名はフィリップ・プティ「ザ・ウォーク」(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)。最初に言っておきますけど、高所恐怖症の人は絶対見たらアカ~ン!!


 故郷のフランスの町にやって来たサーカス団。その綱渡りの演技に魅了された少年フィリップ・プティは、自分で木と木の間にロープを張り、独学で綱渡りを始める。やがてサーカス団の門を叩いたプティは、座長のルディ(ベン・キングズレー)によって厳しく仕込まれていく。しかし成長し、自らを“アーティスト”と思い込むようになったプディ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、観客を喜ばせることを第一に考えるルディと対立し、決別。その後パリに出たプティは、街角で綱渡りを披露する大道芸人となり、やはり街角で弾き語りをして稼いでいた美学生・アニー(シャルロット・ルボン)と知り合う。或る日通っていた歯医者の待合室でNYに建設中のツインタワー・ビル“ワールドトレードセンター”の広告を見たプティは、このツインタワーの間にワイヤーを掛けて歩くという危険極まりない“夢”を思いつく…。


 フィリップ・プティは実在の人物で、現在もご健在です。で、この“バカげた”“狂ってる”としか思えない“ワールドトレードセンターの綱渡り”も、もちろん実話です。プティの物語は2008年のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した「マン・オン・ワイヤー」でも描かれていますが、今回はプティがワールドトレードセンターを若干25歳で制覇するまでの半生を描いています。
 CMや予告編で散々『ヤバい』とか『狂った世界』とか煽ってますが、これはもおハッキリ言って“バカ!”です。いやもお最上級の敬意を込めて、特上の褒め言葉として申し上げましょう“大バカ者!”の為せる業です。高さ411m、距離42.67m、ワイヤーの直径2.2cm、命綱なし…。この状況を聞いただけで、如何にトンでもないかがお解りになれますよね?映画のクライマックスでは、スクリーンにその状況の映像が延々と映し出されますが、吾輩とにかくず~っと手に汗握りっぱなしでした。実話ですから結末はわかってる(成功しますわ(^^;)んですが、それでもドキドキしますし、渡りきったら終わり…と思っていたら何の何の!プティは片道だけでは飽き足らず、ワイヤーの上で『あ~んなことや、こ~んなこと』もやってしまうのです。もう一度敬意を込めて言います“大バカ者!”です(^^;。

 基本的に吾輩“3D”はあんまり好きじゃない(映像がどうしても暗く感じてしまう。眼鏡が鬱陶しいetc,etc…)んですが、この映画は絶対“3D”でご覧ください!これまでの“3D”と言えば、どちらかと言うと映像がスクリーンから飛び出してくるというイメージがありますが、この映画の“3D”は出てくると言うよりむしろ奥行きが感じられる映像になっていまして、それが上空から地面を映し出した映像ですから“奥行き=高さ”となっておりまして、トンでもない迫力の映像に仕上がっています。今回吾輩はこちらのシネコンIMAXで見させていただいた(実は初体験!)んですが、もおトンでも凄かったです!あんなんホンマにあきませんて!上手に説明できませんが、とにかく凄かった!!こんなトンでもない映像の映画を作ったのは、ご存知映像の魔術師ロバート・ゼメキス!不可能と思える“ヤバい”挑戦を、正にこれまでに見たことのないような脅威の映像化に成功しております。スゴイです!ホントにこの人、どこまで追求していくんでしょう?映像の限界を。

 主演のジョセフ・ゴードン=レヴィットは、本物のフィリップ・プティに綱渡りの手解きを受けたそうです。8日間ぶっ通しでマンツーマンの指導を受けた結果、2mの高さのワイヤーは渡れるようになったんだそうです。2mとバカにするなかれ!常人には凄いことだと思いますよ。少なくとも吾輩は出来ませんて(^^;。それからプティの相手役のアニーを演じているシャルロット・ルボン嬢が、とってもキュートで魅力的!このところ色んな映画に出演してまして、今売り出し中ですね。吾輩の最近の“推し!”でございます。今後ますます期待の女優さんです。チェックしておいて損はないと思います。


 「ザ・ウォーク」は、1月23日(土)~全国ロードショーです。凄まじい映像のオン・パレードを、あなたも是非!映画館で“3D”でご覧ください。但し、高所恐怖症の方は、見ちゃダメ!ど~しても見たいなら、本当にくれぐれもご注意を!はい、ちゃんと忠告しましたよ~(^^;。


映画『ザ・ウォーク』 - シネマトゥデイ

ザ・ウォーク@ぴあ映画生活



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by mori2fm | 2016-01-21 22:54 | 映画評 外国映画 サ行 | Trackback(32) | Comments(4)

「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」Happy!満腹!!

[ジョン・ファブロー] ブログ村キーワード
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 「アイアンマン」「アイアンマン2」の監督としておなじみのジョン・ファヴロー。彼が「アイアンマン3」の監督を断ってまで撮りたかった映画が本作。「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)。幸福感で、お腹いっぱいになれる映画です。


 気鋭の料理人としてその名を響かせていたカール・キャスパー(ジョン・ファヴロー)。その腕を買われ、ロサンゼルスの一流レストランで“シェフ”として働いていたが、人気の定番メニューに固執するオーナー(ダスティン・ホフマン)のやり方に不満を抱えていた。或る日、著名な料理評論家のラムジー(オリヴァー・プラット)にその定番メニューをネットで酷評されるに至り、オーナーと衝突したカールは店を辞めてしまう。更には酷評したラムジーとのケンカをSNSに動画で流されてしまい、世間に拡散。働き口がどこにも無いという窮地に立たされる。そんなカールを別れた元妻・イネス(ソフィア・ベルガラ)は、息子のパーシーと共に故郷のマイアミへと誘う。そこで食べた“キューバサンドイッチ”の美味さに驚いたカールは、これをフードトラックで移動販売することを思いつく…。


 “フードトラック”=移動店舗、移動屋台ですが、ただいまこれがアメリカ西海岸では大ウケなんだそうでして、もお一種のサブカルチャーとして、認知されちゃってるくらいなんだそうです。この映画は、そのフードトラックで、マイアミからロサンゼルスまでの旅を描いた“ロード・ムービー”であり、その旅の途中で立ち寄る各地の多種多様で美味そうな、ご当地グルメがいっぱい出てくる“フード・ムービー”であり、はたまたすれ違いがちだった父と息子の絆が修復されていく様を描いた“ファミリー・ムービー”でもあり、更には全編を通してラテンのご機嫌な音楽が流れまくる“ミュージック・ムービー”でもあるという、1本に『どんだけ?!』ってくらいの要素が詰め込まれた映画でございます。そしてそれらが決して破綻せず、絶妙なバランスで1本の映画としてまとまっているのです。もお、まさに“ご機嫌・満腹ムービー”でございます。見終わった後、とにかく文句なしにこの上なく最高に“Happy!”な気分になれることは、吾輩が絶対保障いたします!

 今回ジョン・ファヴローは、製作・監督・脚本・主演の何と!4役を兼ねています。もお、何とも素晴らしい才人ですね。で、そんな彼の許にダスティン・ホフマン、そして「アイアンマン」繋がり(?)のロバート・ダウニー・Jrスカーレット・ヨハンソンといった超豪華なお友達俳優達が、喜んで出演しています。このキャスティングも見所の1つですが、特にロバートの『トニー・スタークよろしく!』って感じの変人ぶりには、笑ってしまいましたわ(^^;。
 
 またこの映画、イマドキの“SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)”の事情が全編を通して、善い面でも悪い面でも色濃く反映されています。最近話題になる“炎上”という事態が、どんな騒動に発展するのか、見ているとよ~くわかりますよ。

 色々書きましたが、とにかくこの映画のイチオシは、やっぱり美味しそうな料理の数々!見に行かれる方は、少し何か食べてから行かれることをお薦めします。だって空腹で見に行ったら、スクリーンに映し出される料理の数々に、最後まで我慢できなくなってしまうかも知れませんので…。

 「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」は、明日28日(土)~全国ロードショーです。お腹いっぱい幸せになれる“ハッピー・エンタテインメント・ムービー”を、あなたも是非!映画館でご覧ください。

映画『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』 - シネマトゥデイ

シェフ ~三ツ星フードトラック始めました~@ぴあ映画生活


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by mori2fm | 2015-02-27 21:41 | 映画評 外国映画 サ行 | Trackback(17) | Comments(0)

「ジャンゴ 繋がれざる者」2時間45分、ブッ放しまくり!

[ジャンゴ繋がれざる者] ブログ村キーワード
 祝!クリストフ・ヴァルツ、2度目のオスカー受賞!!&クエンティン・タランティーノ、3年ぶりの新作!「ジャンゴ 繋がれざる者」(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)。意外にも(?)タランティーノ作品初の“西部劇”なんですね。何か過去にもやってたような気がするんですが…、そうか「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」に出てたから、そんな気がするのか(^^;。


 奴隷解放宣言が出される前の1858年、アメリカ南部。黒人奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は、最近歯医者から賞金稼ぎに転職したドイツ人のDr.キング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)に、彼が捜している“賞金首”の顔を知っているという理由で買い取られる。奴隷制度を毛嫌いするシュルツは、ジャンゴを“自由人=フリーマン”として扱い、その銃の腕前を見込み相棒にする。こうして誕生した賞金稼ぎのコンビは順調に仕事を重ねる。ジャンゴは、生き別れとなった妻のブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)を奪還する決意をシュルツに語る。奴隷市場の記録から、ブルームヒルダが大農場主のカルビン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)に買い取られたことを突き止めた2人は策を弄し、カルビンの所有する大農場“キャンディランド”へと乗り込む…。


 初の西部劇と書きましたが、タランティーノだけにやっぱり一筋縄ではいきません。主役が黒人とドイツ人のガンマン・コンビなんて、やっぱり普通じゃないですわな。こんなん他に誰が考えます?さすが、タランティーノ!この設定の時点で、この映画は“勝ち!”ですわ。そしてそこから発生する、一見荒唐無稽に見えて非常に練り込まれたストーリー。いやあ、もおすんばらしい!アカデミー賞脚本賞受賞も大納得ですわ(まあ、作品賞はムリだと思いましたが…(^^;)。上映時間2時間45分!長い!でもダレることなく一気に見せてくれますので、見ていて長いとは感じられませんでした。特に、後半に掛けての怒涛の展開には、『ええ~?!』『そうなるか~?』と、むしろついて行くのが大変でございまして、時間の経過を忘れさせてくれます。
 上手いこと表現できないんですが、スクリーンを見てたら流れる映像&音楽共に、間違いなく『これぞ、タランティーノ!』って映画でございます。前半は結構おとなしめですが、途中からはエンジン全開!『一発の銃弾で、あんなに出るかいな?』てくらいに、血しぶきが爆ぜる、爆ぜる!撃って撃って撃ちまくって、ドッバドバ…。そりゃ、“R15+”は喰らって当然ですわ。でもその分、過激で非常に痛快な映画に仕上がっています。
 
 図らずも“1度のノミネートで、アカデミー賞主演男優賞を獲った俳優と、同じく1度のノミネートでアカデミー賞助演男優賞を獲っちゃった俳優と、何度かノミネートされたものの受賞には至らず、悲しいかな最近ではノミネートすらされなくなってしまった俳優”の共演となってしまった、何とも皮肉な(?)キャスティングの本作ですが、その中でもクリストフ・ヴァルツはスっゴイですね。タランティーノの前作「イングロリアス・バスターズ」での怪演でアカデミー賞助演男優賞を受賞したのに続き、本作で2度目の受賞。タラちゃんとの相性、最高ですね!でも、この人ホント上手いわ。この映画でも主役のジャンゴを喰っちゃってますよ、その何とも言えんキャラで。あまりに呆気ない退場には、吾輩驚いたと同時に非常に残念でございました。出来ればもっと長く見ていたいな~と、思いましたので。こんな風に思える俳優さん、なかなかいませんよね。そして、“初の悪役”とか言って煽られてるレオ様ですが、当時の社会情勢(奴隷制度がごく普通の社会)を考えると、やってることはそんなに悪いことではないんですよね。むしろ当たり前というか…。でもね、とにかく憎ったらしい~の!行動、言動すべてが見ていて腹立つんですわ。うん、こう思わせたら演者としては、狙い通りで満足なんじゃないでしょうか?あの「タイタニック」の少年が、う~ん、ホントイイ感じに歳を重ねた“役者”に成長してますね。ただ、こいつ以上に見ていてムカついたのは、サミュエル・L・ジャクソン演じる、執事・スティーブンでした。もお、ハッキリ言いましょう!こいつはク〇だわ(^^;!!

 「ジャンゴ 繋がれざる者」は、ただいま全国公開中です。タランティーノが描く“異色マカロニ・ウエスタン”を、あなたも是非!映画館でご覧下さい。


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by mori2fm | 2013-03-03 12:35 | 映画評 外国映画 サ行 | Trackback(45) | Comments(6)

「人生の特等席」うん、イイ邦題ですね。

[人生の特等席] ブログ村キーワード
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 俳優 クリント・イーストウッド 復活!「人生の特等席」(ワーナー・ブラザース)「グラン・トリノ」から約4年。クリント翁の主演復帰作は、爽やかな感動作でございます。


 ガス(クリント・イーストウッド)は、メジャー・リーグ“アトランタ・ブレーブス”の敏腕スカウトとして、長年にわたり多数の名選手を発掘してきた。しかし最近、著しく視力が低下。『失明の恐れあり』と医者に診断されるも、引退を恐れたガスはこれを無視して、今年の目玉選手の最終チェックのため、ノースカロライナへ向かう。そんなガスの様子を案じた同僚のピート(ジョン・グッドマン)は、ガスの一人娘で弁護士のミッキー(エイミー・アダムス)に、ガスとの同行を依頼する。幼いころに母を亡くし、互いの思いをぶつけられないまま時は流れ、父娘の間は今や良好とは言えない関係になっていた。しかし、父のことを想う気持ちに嘘をつけないミッキーは、昇進が懸かった仕事を抱えたまま、ガスの後を追ってノースカロライナへとやって来る…。

 
 『スカウトマン、娘1人。キャリア最後の旅に出る』こんなキャッチが付いてたモンですから、吾輩また“号泣感動映画”を想像してたのですが、スクリーンにはいきなり“小便が出にくくて苦闘するクリント翁”が大映し(^^;。いやあ、笑わせてもらいました~。その後シーンが変わって、亡き妻の墓前で『♪You are my sunshine~♪』と歌うクリント翁。これには吾輩泣かされました。笑いと涙が程良く散りばめられていて、見ていてとても優しく心が温められました。観終わった後に、これほど清々しい気持ちになれた映画は、ホント久しぶりのような気がします。特にラストは、何とも爽快で痛快でした。あんなに上手く話が進むことは、なかなかないでしょうが、それでも世の中何かと面白くない昨今、あれくらいベタな展開の方が、楽しく安心して見ていられました。うん、ホントにイイ映画です。

 “俳優引退宣言”を撤回して復活したクリント翁。何故なら本作が、彼の“唯一の弟子”と言われているロバート・ロレンツの監督デビュー作だからなんだそうです。そう正に、愛弟子の門出に花を添えると言ったところでしょうか。で、今回は自身の監督作ではございませんので、イイ意味で抜けてるんです、クリント翁。頑固で怒ると見境がなくなり、新しい物は苦手…こんな爺さん、クリントにピッタリですやん!正にハマり役、うってつけ!それをまあ、何とも楽しそうに演じておられるんですわ。御歳82歳!!枯れた魅力全開!いやあ、まだまだ元気!これからも、もっともっと吾輩たちを楽しませてくれそうですね。その翁に対した、エイミー・アダムス嬢。お姫様から普通の主婦まで、彼女も幅広いですね。本作でも“父親と正面から向き合いたいのに、素直になれない寂しいキャリアウーマン”という役柄を、上手く演じています。なかなかキュートに見えますが、実は彼女も38歳(!)もお中堅どころですね。今後ますますの活躍が期待されます。

 “父と娘の葛藤”が、物語のメインにはなっていますが、当然のことながら野球のシーンもたくさん出てきます(吾輩、何故かワクワクしちゃいました。一応おっとこの子ですから(^^;)し、ミッキーとジャスティン・ティンバーレイク演じるジョニーとのラブ・ストーリーも、上手にストーリーに絡ませてあって、上質な大人の映画に仕上がっています。老若男女を問わず、どなたがご覧になっても楽しめること受け合いです。

 「人生の特等席」は、ただいま全国公開中です。『イーストウッドの隣で、人生を眺める』そんな気分をあなたも是非!映画館で味わってください。

~追記~
 映画の中の話としては面白かったですが、いくらなんでもメジャーのスカウティングの実態は、この映画に描かれているようなモンじゃないですよね?運命のドラフトが、あんなギャンブルみたいな感じでは、いずれ野球は衰退しちゃいますよ!
~追記②~
 GM?オーナー?役のロバート・パトリック!いやあ~“T-1000”も、だいぶ枯れましたね~(^^;。


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by mori2fm | 2012-11-29 00:39 | 映画評 外国映画 サ行 | Trackback(48) | Comments(7)

「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」爆裂アクション!

[シャーロック・ホームズ] ブログ村キーワード
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 伝説の名探偵 最新Ver.再びスクリーンへ!「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」(ワーナー・ブラザース)ロバート・ダウニーJr.ジュード・ロウの名コンビ再び!今度はロンドンを飛び出して、ヨーロッパをまたに掛けての大活躍ですわ!


 このところ世界各地で頻発する大事件。一見無関係に思えるこれらの事件は、実は裏で繋がっていて、その黒幕は首相の友人にして、天才的数学者という表の顔を持つ、天才的犯罪者ジェームズ・モリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)である…。シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニーJr.)は自らの推理をこのように結論付け、モリアーティの正体を暴くべく、独自に捜査を開始。翌日に結婚式を控える相棒のワトソン(ジュード・ロウ)を連れてクラブへ向かったホームズは、事件の鍵を握ると思われる、ジプシーの女占い師・シム(ノオミ・ラパス)と出会うが、シムを襲った何者かを撃退している間に、彼女は姿を消してしまう。ワトソンの結婚式にやって来た使者に連れられ、モリアーティと対面したホームズは、事件から手を引かなければ、ワトソンを含む自分の周りの人間へも危害が及ぶと警告するモリアーティに対して、敢然と宣戦布告をするのだった…。


 全編、小気味のいいアクションがテンコ盛り!シリーズ前作でも、かなりアクション満載でしたが、今回は更に盛ってます。その分、推理はどこへ行った?って感じなんですが(いや、ちょくちょく推理してるんですが、全部ド派手なドンパチのインパクトで、吹っ飛ばされておりますの…(爆)。でもしかし、面白かったです!相当リキ入れて見に行かないと、アクション・シーンではかなり息を呑みます。もお見終わって、吾輩相当に疲れました。砲弾がスクリーンから飛び出さんばかりに、3Dじゃなくても迫力満点!!ガイ・リッチー 監督、少々やりすぎ?ってくらい、派手にやらかしてくれてます。またアクションだけでなく、笑いもテンコ盛りでして、特にワトソンの新妻・メアリー(ケリー・ライリー)を列車から逃がすシーンには、大爆笑いたしました。アレはホンマにやりすぎ(^^;!

 ホームズ&ワトソンを演じた、ロバート・ダウニーJr.&ジュード・ロウの"コンビ力”は、こちらも前作よりも更にパワーUP!して、正に絶好調!『ああ言えば、こう言う』掛け合いの妙や、息ピッタリのアクション。カッコイイばかりではなく、コケ・シーンも絶妙で笑わせてくれます。ホント、2人とも当たり役ですわ!そして"元祖リスベット(=ドラゴン・タトゥーの女)”のノオミ・ラパスが、本作でハリウッド・デビューを飾っております。しか~し、熱い男たちのアクションに少々圧され気味で、ストーリーの上でさほど存在感が感じられなかったのは残念!もう一つ、レイチェル・マクアダムス演じるアイリーン・アドラーが早々に退場してしまうのも、吾輩的には残念でございました。そして何より今回の目玉、ホームズ宿命のライバル・モリアーティ教授の登場!なわけですが、前作公開時に『ブラピが演る』とかいう噂もあったのですが、フタを開ければジャレッド・ハリスが起用されていました。このキャスティングは成功だと思います。或る意味、原作のイメージから相当乖離してしまったホームズに対して、ハリス演じるモリアーティは、いわば正統派とも言える"重さ”が感じられました。対峙する両者としては、バランス的にもよかったと思われます。まあブラピが演じるモリアーティも見てみたかったですが、もし実現していたら益々落ち着きのないアクション映画になっていたような気もしますね(^^;。

 今回、ホームズの兄・マイクロフト(スティーブン・フライ)が登場するなど、かなり原作のエッセンスを織り込んだ作品になっておりますが、極め付けとしてクライマックスの舞台が"スイスの大瀑布”なのです。そお、"モリアーティ、スイス、大瀑布…”吾輩思わず『おお!そお来たか!!』と手を打って、つぶやいちゃいました。コレ、わかる人にはわかる本作のツボとも言えるポイントです。まあ知らなくても充分楽しめますが、知ってるとかなり楽しめます!!特にシャーロキアンの方なんかはニンマリかも…(^^;。

 「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」は、いよいよ明日3月10日(土)~全国ロードショーです。爆裂的に生まれ変わった、伝説の名探偵シリーズの第2章を、あなたも是非!映画館でご覧ください。


映画『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』 - シネマトゥデイ

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by mori2fm | 2012-03-09 22:01 | 映画評 外国映画 サ行 | Trackback(81) | Comments(6)

映画ネタを書いておりますが、最近更新が停滞しまくってます…。


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