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 これは、今までに吾輩が見たことのない類の映画でございました。「第9地区」(ギャガ GAGA★)。いやあ、ホントに衝撃的な映画でしたわ。


 南アフリカ、ヨハネスブルグの上空に、突如巨大な宇宙船が飛来。何日経っても静止したままの宇宙船に、南ア政府はヘリで偵察隊を派遣。彼らが船内で見た物は、船の故障により衰弱した、不衛生なエイリアンの群れだった。何百万ものエイリアンの群れは、暫定的にヨハネスブルグの“第9地区”にある、仮設住宅に住まわされる。言語も通じず、不衛生なエイリアン達が一般市民と融合出来る筈もなく、人間はエイリアン達を、その外見から“エビ”と呼んで蔑んだ。そして28年の月日が過ぎ、人間とエイリアンの対立は激化。エイリアンを管理している民間軍事企業“MNU社”は、エイリアン達をスラム化した“第9地区”からより劣悪な環境の“第10地区”へ移すことを決定する。その現場責任者として、ヴィカス(シャルト・コプリー)という社員が指名される。“第9地区”へ向かい、エイリアン達に、立ち退き承諾書に強引にサインさせるヴィカス達。しかしその最中、ヴィカスは誤って謎の液体を浴びてしまう。やがてヴィカスの身体に、異変が生じる…。


 これまでにも、エイリアンが出てくる映画って色々ございましたが、地球が侵略される~例:「インデペンデンス・デイ」とか「宇宙戦争」等~とか、人間が襲われる~例:「エイリアン」とか「プレデター」等~なんてのが、ほとんどでした(稀にお友達になる~例:「E.T.」~なんてのもありましたが…)。然るにこの映画に出てくるエイリアンは、“難民”なのですよ。これまでの映画では、こんな扱いのエイリアンは恐らくおらんかったのではないでしょうか?何せ、人類から差別されるてるんですよ。しかも地球上で。何とも異例ですね。
 更にエイリアンが登場する“SF映画”となると、大概舞台はニューヨークとかロサンゼルス…、悪くてもアメリカのどこかの都市ってのが定番だと思われますが、この映画の舞台は南アフリカのヨハネスブルグ。これもまた異例でございます。
 そしてこの映画、プロデューサーは“あの”ピータージャクソン。彼は有名ではございますが、監督は本作が長編デビューとなるニール・ブロムカンプ(←舌噛みそう(^^;)。主人公ヴィカスを演じているのは、シャルト・コプリー。この新人監督と、ほとんど無名のキャストによるいわば“カルト的”な本作が、試写で見た映画ファンやブロガー達のいわゆる“クチコミ”によって、アメリカ全土にその名を知られることとなり、何と全米興行収入で1億ドルを突破する大ヒットを記録。加えてアカデミー賞では4部門(作品賞、脚色賞、視覚効果賞、編集賞)でノミネートされるという快挙までやってのけたのです。う~ん、誠にもって極めて異例!

 異例づくしの本作は、ハンディ・カメラを多用し、擬似ドキュメンタリー仕立ての映像に仕上げられています。これが、見ている我々に強烈なリアリティを感じさせます。この映画を見ている間は『南アフリカには、ホンマにこんなエイリアン居住区があるのか~?』と感じられるくらい(いえ、吾輩は特にこういうのに感化され易いモンで…(^^;)でございました。“カルトな低予算SF映画”と言われておりますが、作中出てくる“パワードスーツもどき”なんかも、下手なSF映画よりも激しく動いておりましたし、その奇抜なストーリーとも相まって、見応え充分の1本に仕上がっていると思います。何より吾輩は、今までこんな映画見たことございませんでしたわ!

 “南アフリカが舞台の差別を描いた映画”という見方も出来る本作ですが、ご覧になる際は、あまりその辺のことはお考えにならず、頭真っ白状態でご覧になることをオススメします。その方が、映画を見て受ける衝撃度はデカイと思います。そして、見終わった後に何とも言えない感覚が残ります。この映画、吾輩的には『純愛を描いている』とも断言できます。ラスト・シーンは、とてつもなく切なくて哀しいです。そういった見方も出来る本作は、今年の映画史上に鮮烈な印象を与える1本だと言っても、過言ではないでしょう。

 「第9地区」は、4月10日(土)~全国ロードショーです。“異例づくめの驚くべき1本”を、あなたも是非!映画館でご覧ください。とにかく見て!騙されたと思って…。

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by mori2fm | 2010-03-22 21:01 | 映画評 外国映画 タ行 | Trackback(158) | Comments(16)

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