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「誰も知らない」憤り…ただただ憤り…。

 とんでもない映画だ「誰も知らない」(シネカノン)“悲しい”なんて言葉では、片付けられない。“泣ける”なんてヤワなモンじゃない。気が付けば、いつの間にか拳を握りしめていた。そう最初から最後まで私は憤っていた。実話がベース?下手なレビューなど書く気になれないほど気分は重い…。

 作品冒頭、引越し荷物のスーツケースの中から出てくる子供たち。『!?』そして新居での最初の夜、YOU演じる母親が子供達に明るく言い放つ『絶対に外に出ないこと!』何を言っておるのだこの親は!そして、物語半ばで母親がやけ気味に子供に言う『私が幸せ望んだらイケナイの?』…お前に幸せを語る権利はない!!

 とにかく約2時間20分の上映時間を、これほどまでに『早く終わってほしい』と願った(つまらないという意味ではなく)映画はいままでにない。観ていて非常に辛く、虚しく、そして徐々に胸が押しつぶされそうな感覚に陥る。やがて迎える破滅的なラスト、そこへ向かう過程で使われる音楽が妙に明るく、逆にそれが映画のテーマの重さを際立たせる効果を生み出している。無力ながらも、明るく懸命に生きようとする子供たち。自らの責務を放棄し、当事者でありながら他人事のように接する母親。一体何がこのような悲劇を生み出したのだろうか?

 柳楽 優弥クン演じる主人公は、作中一度も泣かない。彼の置かれた環境が、そんな子供に育ててしまったのだろうか?コンビニのレジに積み上げられたアポロチョコレートが、子供達の“無言の叫び”を表わしていたように思えてならない。

 これを書いている今になって、一番下の子が描いて壁に貼ってあった母親の似顔絵を思い出して、不意に涙が溢れてきた。

 今夜は眠れそうにない。もう1杯飲みたい気分だ。

 「誰も知らない」は、ただいま公開中&随時公開地区拡大中。とにかく観てください。子供達の生き方を。

 
by mori2fm | 2004-09-10 02:01 | 映画評 日本映画 た行