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「プレシャス」圧倒的に不幸で理不尽!

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 “本年度アカデミー賞・2部門受賞!”「プレシャス」(ファントム・フィルム)「おしん」も真っ青!な、不幸のテンコ盛り映画。はたしてプレシャスの未来に、希望はあるのか…?


 1987年のハーレム。16歳のプレシャス(ガボレイ・シディベ)は、妊娠が発覚し学校を退学に。実はお腹の子供は、父親にレイプされて出来た子で、プレシャスは既に、同じ境遇の子供を出産済みだった。家ではそんなプレシャスを、母のメアリー(モニーク)がこき使い、虐待する。その行動のウラには、『自分が愛する男を寝取った』プレシャスへの嫉妬が在った。文字の読み書きも出来ず、悲惨で不遇な家庭環境で過ごす日々。プレシャスは、この状況からの脱出を夢見ていた。退学になった学校の校長が教えてくれた、フリースクールに通い始めたプレシャスは、そこで教師のレイン(ポーラ・パットン)と出会う。そして初めて“学ぶことの喜び”を知る…。


 “レイプ”“虐待”“無学”“貧困”“妊娠”“HIV”…思わず見ていて『もお、エエやん!』と呟いてしまうほどの、“不幸の連鎖、オン・パレード”。そしてトドメは、ヒロインのプレシャスが“黒人・デブキャラ”。もうね、見ていて辛いの、シンドイの、救いがないの!ホントに凄まじいんですよ、プレシャスの置かれている環境は。『ここまで不幸な人は、なかなかいないやろう?』って、見ている吾輩が音を上げそうになるんですが、意外にもプレシャス自身は作中、さほどこたえていないようにも見えるんですね。『こんな状況は…』と、愚痴ってみたりはしてるんですが、何となくやり過ごしてる…。そんな風にも見えるんです。だから吾輩、何とか見続けることが出来ました。これで、ヒロインがず~っと悲愴な顔してたら・・・、吾輩きっと途中で耐えられなかったと思います。
 但し、ラスト近くで“HIV”検査の結果が陽性だったと知ったプレシャスが、フリースクールの仲間達の前で、慟哭しながら身の不幸を訴えるシーンには、身体の芯から身震いいたしました。それまで、どんな理不尽な苦難にも、泣かずに耐えてきていたプレシャスが、初めて心の底からその辛さ…理不尽さに対する怒り、嘆き、やるせなさ、不満…を吐き出すこのシーン。プレシャスを演じた“新星”ガボレイ・シディベの圧倒的な存在感と演技に、脱帽です。吾輩、見ていて言葉が出ませんでした。それまでの“トンでも不幸”が、すべてこのシーンを盛り上げるためのアイテムに過ぎなかったんじゃないか?とさえ思いました。

 映画初出演(っていうか、初演技!)とは思えないガボレイ・シディベも凄かったですが、“鬼母(←他に表現のしようが…)”を演じたモニークの演技は、鬼気迫るモノがありました。吾輩、本当に見ていてハラが立ちました。『何と、理不尽なババアだ!』って。まあ、それだけ女優としてスゴイってことですよね?本性じゃないんですから(この人、本職はコメディエンヌらしいですね)。“アカデミー助演女優賞”も納得です。そしてほぼ“スッピン!”でソーシャル・ワーカーを演じたマライア・キャリーと、看護士を演じたレニー・クラヴィッツ“スターのオーラがまったく感じられなかった素の演技”も、この映画の特筆すべきポイントだと思います。だって、吾輩最初わかりませんでしたから『え、誰?この人??』って…(^^;。


 「プレシャス」は、ただいま全国順次公開中です。打たれても蹴られても幸せを信じて、懸命に生きる女性…もとい、少女の姿をあなたも是非!映画館でご覧ください。

「プレシャス」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

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by mori2fm | 2010-05-13 22:24 | 映画評 外国映画 ハ行