「わたしを離さないで」心に刺さる。

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 キャリー・マリガンアンドリュー・ガーフィールドキーラ・ナイトレイ。今が旬の、若手実力派スター3人が共演!「わたしを離さないで」(20世紀フォックス映画)。このタイトルだけ聞くと、何か“昼メロ”みたいですが、これが何とも心に突き刺さる“SF 純愛ラブ・ストーリー”なのでございます。


 キャシー、ルース、トミーの3人は、田園地帯に建つ寄宿学校“ヘールシャム”で、小さい頃からずっと一緒に育ってきた。厳格な女性校長・エミリー(シャーロット・ランプリング)の指導の下、ヘールシャムの生徒達には、外界とは完全に隔絶された施設で徹底した健康管理が行なわれていた。普通の子供たちとは違う、“特別な存在”として。やがて18歳になったキャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)は、ヘールシャムを出て他の寄宿学校の出身者たちと、コテージと呼ばれる施設で共同生活を始める。ルースとトミーは、いつしか恋人同士になり、幼い頃からトミーのことを想っていたキャシーの胸中は、複雑だった。やがてキャシー達は、ある噂を耳にする。『本当に愛する者同士は、臓器の提供を猶予されるらしい…』キャシー達は、生体間移植のドナーとなるべく、この世に生を享けていたのだった…。


 カズオ・イシグロ原作小説の映画化(この方、日本生まれの英国育ちで、今や帰化されて“英国人”。“ブッカー賞”“ウィットブレッド賞”など数々の賞を受賞し、世界的に高く評価されている方だそうです…。すみません!吾輩は存じませんでしたm(_ _)m)。吾輩、当然の如く(オイ(^^;!)原作未読で映画に臨んだ訳ですが、前述したようにこの作品は“仮想世界”が舞台の、“SF映画”なんです。『医療の進歩により、平均寿命が100歳にまで延びたが、その背景には臓器提供のドナー達が、計画的に産み出されている…』っていう世界が描かれているのですが、時代背景が近未来などではなく“'70年代~”で、しかも映像全体が、灰色というか青み掛かったような色合いで撮り上げられていますので、ちっとも非現実的ではなく、むしろ見ていて『ん?コレって現実社会で起きた出来事??』って感じてしまうくらいの錯覚に陥ってしまいました。もちろん“空想物語”なんですけれども、それをわかった上で見たとしても、強烈に心に痛く突き刺さるストーリーです。元々ドナーとしてこの世に生を享けた主人公達は、『ドナーにも、魂がある』と考え、“人”として生きたいと訴えます。しかしそんなことは社会全体から見ると、極々些細なことに過ぎず、関わった人間達でさえ、どうすることも出来ない。それが定められた“ルール”であるという、残酷な“現実”だけが残るのです。オペ室の処置台の上で、動かなくなったルース。ラスト近くで、トミーが上げる“魂の叫び”など、もお心が痛すぎて吾輩凍りついてしまいました。なんなんでしょう?このとてつもない悲しみは。

 主演の3人は、“制限された世界に生きる若者”という難しい役柄を、それぞれの持ち味で熱演しています。特にキャリー・マリガンがいいですね。抑圧された中にも、確立した自己、芯の強さが感じられるキャシーという少女を、瑞々しく演じています。それから、この映画の特筆すべき点は、主人公達の子供時代を演じる子役達が、成人後の彼等に驚くほど似ているということ、更にはただ似ているだけでなく、非常に上手い演技を見せてくれることです。特にキャシーの幼少期を演じたイソベル・メイクル=スモールちゃんは、キャリー・マリガンそっくり!しかもスゴク自然な演技なのですが、何とこれが演技初体験なんだそうです!いやあ、驚きです。あとは、校長役のシャーロット・ランプリング、怖すぎ!もおね、目がイッちゃってましたよ~。え~ん、ホントに怖かった…(>_<)。


 「わたしを離さないで」は、3月26日(土)~全国ロードショーです。心に刺さる“魂の叫び”を、あなたも是非!映画館でご覧ください。

~追記~
 時代設定なんかは全然違いますが、描かれていたテーマはコチラの映画に通じるものがあるかと…。あ、でも対極に位置する映画ですけどね。

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by mori2fm | 2011-03-10 21:39 | 映画評 外国映画 ワ行