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「隠し剣 鬼の爪」山田 洋次監督2年ぶりの東北弁…もとい新作!

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 あの「たそがれ清兵衛」から2年。山田洋次監督が、再び藤沢周平の世界に挑んだ新作「隠し剣 鬼の爪」(松竹)さあ、はたして前作を凌ぐ出来となっておるのでしょうか?

 時は幕末。奥州海坂藩の平侍、片桐 宗蔵(永瀬 正敏)は貧しいながらも、武士としての誇りを常に忘れず、近代化の時代の波に押されつつも日々、懸命に生きていた。両親は既に亡く(父は切腹、母は病死)、妹志乃(田畑 智子)は親友の島田左門(吉岡 秀隆)の許へ嫁いだが、宗蔵は妻もめとらず慎ましやかに暮らしていた。或る日宗蔵は、城下の店でかつて片桐家に奉公に来ていた娘きえ(松 たか子)と再会する。奉公を終え、嫁に行ったきえは幸せに暮らしているとばかり思っていた宗蔵は、痩せこけたきえの姿に衝撃を受ける。それ以来きえのことが常に気に掛かるようになった宗蔵の耳に、更に悪い知らせが届き…。

 全篇で使われる山形弁がとても心地よく、映画全体から“優しさ”が滲み出てくるのは「たそがれ清兵衛」と同様で山田洋次監督作品に共通したテイストを醸し出しています。ただそれ以上のモノが伝わってこなかったのが残念!あの「たそがれ清兵衛」の時に感じた『なぜかわからないけど、自然と涙が溢れてくる感覚』は、この映画からは感じとれませんでした。これはひとえに“同じ作者、同じ時代設定、同じ場所、同じ監督”というこの映画のバックボーンが、どうしても“「たそがれ…」の2番煎じ”ていう印象を与えてしまうからではないでしょうか?
 何やら比較論のようになってしまいましたが、決してこの映画のデキが悪いという意味ではありません!永瀬 正敏、松 たか子をはじめとした若手(この手の映画では…)俳優陣は、非常に伸び伸びと、それでいてしっかりと演技をしていますし、彼等を脇で支えるベテラン俳優達も、それぞれに持ち味を存分に出していて、重厚な中にも軽妙な味のある作品に仕上がっています。特に緒形拳演じる“悪役家老”は秀逸です。ご本人はあの“ナベ〇ネ”オーナーをイメージして役作りをされたそうですが、その狙いどおりにホントに憎々しい“悪家老”になっておりました。ベテラン健在!といったところでしょうか。

 でも、「隠し剣 鬼の爪」って~のが、ああ言う“秘剣”だったとは…。そりゃ、決闘では使えませんわ(笑)。

 「隠し剣 鬼の爪」は、ただいま全国公開中。優しい気持ちになれる映画です。ぜひ、映画館でご覧下さい。
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by mori2fm | 2004-12-03 21:52 | 映画評 日本映画 か行