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「ハウルの動く城」ジブリは日本の文化(?)です。

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 『何かストーリー、全然わからんかったわ!』←これ観終わったあとに、映画館出口周辺で遭遇した、オバちゃんの集団客から発せられたお言葉でございます。言わずと知れた宮崎 駿監督最新作、やっと動いた(笑)!「ハウルの動く城」(東宝)噂に違わず素晴しい絵(アニメーション)、私の好きなチョット昔のジブリ作品のテイストも程よく散りばめられていて、なかなかよかったと思うのですが…。やっぱり難解!

 18歳のソフィーは、父親が遺した帽子屋を継いで暮らしていた。或る日妹に会うために街へ出たソフィーは、兵隊に絡まれているところを魔法使いハウルに助けられる。そして誰かに追われていたハウルと共に、その場から逃げ出すことに成功する。その夜、ソフィーの帽子屋に“荒地の魔女”がやって来る。実は昼間ハウルを追っていたのは彼女で、その時に一緒にいたソフィーを追ってきたのだ。そしてソフィーは魔女に呪いを掛けられ、90歳の老婆の姿にされてしまう。『この姿ではここにはいられない…』と考えたソフィーは、家を出て荒地へと向かう。そこで“ハウルの動く城”に遭遇したソフィーは、自称“掃除係”として、この城で暮らすことに…。

 物語前半は非常に面白く、前述したように「魔女の宅急便」「紅の豚」に通ずるテイストが感じられ、何か懐かしいような気分で若干“ほっこり”しながら観ておりました。ところが最初から、チョコチョコと散見していた(ストーリーを構成する要素としての)“ダークな部分”が、ある時点(具体的に言うと、“城”が引っ越した辺りから)を境に一気に噴出しはじめ、テイストはすっかり「もののけ姫」状態に…。“反戦”というテーマを全面に押し出しながら、物語の風呂敷をそこから思いっきり広げるだけ広げておいて、一気に凄まじい勢いで話をまとめあげ…そして最後は“チャンチャン!”でございます(笑)。『そりゃナンボ何でも強引すぎるなあ…』と観ていて思わず呟いてしまいました。冒頭に書いたオバチャンのようなお客さんは恐らく他にもたくさんおられたことだと思います。こんなこと書いている私も『じゃあ、100%理解できているか?』と問われると、実は『?』でございまして…。そういう意味で大人が観ても難しいこの作品を、お子様がご覧になったら果たしてどう思われるのか?とても興味が湧きます。だってわからんでしょう?絶対!
 でも、何度も書いておりますが“チョット昔のジブリのテイスト”が復活していたのは嬉しい限りです。20世紀初頭ころのヨーロッパをイメージした世界で繰り広げられるストーリーは、ここのところ続いていた(「もののけ姫」~「千と千尋の神隠し」)、“おどろおどろしい世界”よりも観ていて遥かに心が引き込まれました。それだけに途中から物語が腰砕け気味(私にはそう感じられてならないのです)になってしまったのは、本当に残念でなりません。

 さて、散々物議を醸したキャスティングについてですが、倍賞千恵子美輪明宏…。どちらも素晴らしいです!声だけの演技ですが、その声に聞こえてくる以上の“厚み、奥行き”が感じられ、これこそ正に“演技”だなあと思いました。『倍賞さんが18歳の少女の声を演る』と聞いたときは正直『はあ?』と思いましたが、実際に観てみると特に違和感も無く、むしろ楽しんで聞いていられました。で、問題の“ハウル=キムタク”でございますが…、結論から言うとよくガンバっていたと思います。観る前にこちらが想像していたほど破綻していなかったし、ジブリ作品にしては貴重な“イケメン主役キャラ”を彼なりにこなして演じていたと思います。んが!それ以上のモノが感じられなかったんですよ!そう『この役はキムタクでないとダメ!』といった感じがしない!『なぜキムタクなの?』これなら別に他の俳優…もっと言えば本職の声優さんが演じていてもよかったんじゃない?と思えてしまうわけですよ。ま、もっとも声優初(?)チャレンジにしては上出来だったと思いますが、これが脇役ならともかく何せ“ジブリ映画の主役”な訳ですから…。そう言った意味ではやはり少々役不足であった荷が重かった感は否めないと思います。

 何だかんだいっても、相変わらず美しい映像には心を奪われます。映画館でジブリの作品を観るたびに『ああ、ジブリのアニメはやっぱり一級品だなあ。こんなのが普通に観られるなんて…日本に生まれて幸せだなあ!』と感じてしまうのは私だけでしょうか?!

 「ハウルの動く城」はただ今、記録更新しながら絶賛公開中!絵だけじゃない、声だけじゃない、ストーリーだけじゃない。あらゆる要素が複雑に絡み合った作品です。さあ、皆様!気合入れて映画館へ!!


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by mori2fm | 2004-12-10 00:13 | 映画評 日本映画 は行