2012年 02月 09日
「ドラゴン・タトゥーの女」ダークで重い…、見応え感ズッシリ。

スウェーデンの首都・ストックホルム。雑誌“ミレニアム”の記者、ミカエル・ブルムクヴィスト(ダニエル・クレイグ)は、実業家・ヴェンネルストレムの疑惑を追及する記事を書いたことで、名誉毀損で訴えられ有罪判決を受ける。休暇を申請したミカエルに、かつてスウェーデンの経済界に君臨していた大企業・ヴァンゲル一族の元会長、ヘンリック・ヴァンゲル(クリストファー・プラマー)から仕事の依頼が届く。ヴァンゲル一族が住むヘーデスタへと向かったミカエルは、ヘンリックから『40年前、親族の娘・ハリエットが突然失踪した事件の真相を究明してほしい』と頼まれる。ヘンリックは、ハリエットが一族の誰かに殺されたと確信していた。依頼を引き受けたミカエルは、調査を開始。一族の様々な過去が浮彫りになるが、手掛かりを掴むには至らない。調査助手が必要と訴えるミカエルに、一族の弁護士が紹介したのは天才的情報収集力を持つ調査員、リスベット・サランデル(ルーニー・マーラ)。短く刈った髪、痩せた身体、無数のピアス、そして肩から背中に掛けてのドラゴン・タトゥー。異様な外見とは裏腹に腕は超一流のリスベットは、意外にもこの事件に興味を示し、ミカエルと組んで調査を開始。やがて2人は、未解決の連続猟奇殺人事件に突き当たる…。
いつものことですが、原作未読の吾輩(アカンがな!)は、公開当時にスウェーデン版も見逃しておりましたので、予習のつもりでDVDを見てから、フィンチャー版の鑑賞に臨みました。まあ、原作が同じなわけですから、モチロン結論は同じなんですが、それでも細かい設定は色々と違っていたりします(この辺りのことは、今発売中の“映画秘宝”に詳しく書かれていますので、ご一読を。但しネタバレ満載ですが…(^^;)。吾輩的には、スウェーデン版に比べてフィンチャー版の方が、エンタテインメント色が濃く作られているような気がしました。スウェーデン版も充分面白いのですが、何となく物語の背景の説明に、長めの時間が割かれていたような感じを受けました。原作未読で、スウェーデン版未見でも、充分楽しめますが、お時間があれば見比べてみるのも一興かと思います。但し吾輩、スウェーデン版を見た翌日にこのフィンチャー版を見ちゃったモンですから、今になって『あれ、コレはどっちのシーンやったっけ??』ってな感じでごっちゃになってる部分が何ヶ所かございます(^^;。皆さんもご注意を!
しっかし、さすがデヴィッド・フィンチャーですね。“連続猟奇殺人事件”なんてテーマを描かせたら、水を得た魚でございますな、ホント!まあ、何ともダークな映画でございます。もお、お腹イッパイ、見応え感タ~ップリ!今回リメイクに際して、物語は原作のままスウェーデンを舞台に展開します。安易にアメリカに舞台を移したりしなかったのは、正解だと思います。何となくですが、スクリーンに映る映像も、神秘的な感じがしましたので…(ホンマか?)。でもフィンチャー監督も『スウェーデンで撮りたい』と拘ったらしいですよ。曰く『物語のルーツはスウェーデンにあるから、この地以外、考えられなかった』(プレスより引用)やはり物語の生み出された背景ってのは、重要ですよね。うん。
正義感溢れるジャーナリスト、ミカエルを演じるダニエル・クレイグは、なかなかのハマリ役でございます。“007”でお馴染みの彼ですが、こういうタイプの違う色々な役に挑戦してるってのは、好ましいことですよね。そしてそれを、ちゃんとモノにしてるんですから尚更です。でも今回の注目は、何と言ってもタイトル・ロールの“ドラゴン・タトゥーの女”を演じたルーニー・マーラ嬢でしょう!リスベットという、外見と内面のどちらにも、強烈な個性を持つダークなヒロインを、ものの見事に演じきっています。彼女は前作「ソーシャル・ネットワーク」(フィンチャーつながりですな)では、主人公マーク・ザッカーバーグをふる役で、清純そうな女子大生を演じていたんですが、この変わりようはもお“驚愕!”の一言でございます。アカデミー主演女優賞へのノミネートも、納得ですね。でも吾輩的には“本家(=スウェーデン版)”で、リスベットを演じたノオミ・ラパスの方が、貫禄があったような気はするんですが…。まあ、これは好みの問題かな?
冒頭で“三部作”と書きましたが、原作者のスティーグ・ラーソン氏は、ホントは“十部作”(!)にしたかったそうです。ところが、第三部を書き上げ、第四部の執筆を開始したところで、急逝(享年50歳、残念!)。しかもそれが三部作の出版前だった(即ちラーソン氏は、世界的なベストセラーになったことを知ることなく、逝去されましたので)っていうのが、ホントにお気の毒な話でございます。
そしてハリウッドでは既に続編の製作が動き出しているそうです。で、吾輩スウェーデン版の続編を観たんですが、今回リスベットに強烈な復讐をされる彼女の後見人のエロ弁護士が、意外なことに重要なキャラとして再登場したりしておりますので、この辺りの展開も見逃せませんね(だから、原作読みなさいって!)。
「ドラゴン・タトゥーの女」は、いよいよ明日!2月10日(金)~全国ロードショーです。映画史上最強にダークなヒロインの誕生を、あなたも是非!映画館で目撃して下さい。
~追記~
いくらミカエルがモテるからとは言え、あのラストはないだろう~。あれではリスベットがあんまりにも可哀想だわ(泣)。つうか、あんなことになって、次回作ではどうやって関係していくんだろうか??
~追記②~
リスベットは“天才ハッカー”なんですが、ハッキングってあんなに簡単なモンなんですか?いやあ、恐ろしいわ。あんなん他人の情報、見放題やんか!
~追記③~
“ブルムクヴィスト”“サランデル”“ヴェンネルストレム”“ヴァンゲル”…、スウェーデンの苗字って、何か怖い…(^^;。
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