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「タッチ」『お願~い♪タッチ、タッチここにタッチ!♪』から20年…。

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 吾輩が中学~高校生の頃、少年サンデーに連載されていたあだち充原作の「タッチ」は、毎週欠かさずに読んで、単行本が発売されるとその日のうちに買いに行っていた正に吾輩の“青春時代のバイブル”のような漫画でございました。更に言えば、ヒロイン“浅倉南”は間違いなく、吾輩にとってのアイドルでございました。その後「タッチ」はアニメ化され、爆発的な人気を博すことになるのですが、吾輩こちらには、さほど惹かれませんでした。やはり原作漫画が一番でしたね。そんな「タッチ」が21世紀に“実写で映画化”。しかも南を演じるのは、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのアノ長澤まさみチャン!、「タッチ」(東宝)。こりゃもお、いろんな意味でドキドキしながら観に行きましたよ。


 家が隣どおしの上杉家の双子・達也(斉藤祥太)と和也(斉藤慶太)、それに浅倉家の一人娘・南(長澤まさみ)は、小さな頃から何をするのも一緒の幼馴染み。親たちの影響で、野球が大好きになった三人は、TVで見た甲子園にいつか行きたいと思うようになる。お母さんが亡くなり、泣いて悲しむ南は達也と和也に『南を甲子園に連れてって』と告げる。達也と和也はリトル・リーグで、その才能を開花させていく。やがて明青高校へ入学した3人。和也は野球部に入部し、1年生でありながらエースとしてマウンドに立ち、夏の大会の予選を勝ち進んでいく。そんな和也をマネージャーとして支える南。一方の達也は、野球をやめて親友・原田(RIKIYA)のいるボクシング部に入部するも、なかなか上手く行かない日々が続いていた。やがて明星高校野球部は都予選の決勝へ進出。後1つ勝てば甲子園行きが決まる決勝戦の当日、球場へ向かっていた和也が交通事故に…。



 犬童一心 監督、大変だったと思います。これだけ偉大な原作がある作品の映画化ってのは、かなりのプレッシャーだったんじゃないでしょうか?それがスクリーンにもよく表れていたような気がします。『原作の雰囲気のままでいくべきか?映画としての、オリジナリティを出すべきか?』恐らくこんな葛藤がいっぱいあったのではないでしょうか。結果、どちらにも突き進めず、非常に中途半端な映画に仕上がってしまったような気がします。何より色んなもの(要素)を詰め込みすぎて、ただストーリーがそれに合わせて流れている…そんな印象を受けてしまったのは、非常に残念です。所詮、26巻もある(刊行当時)原作を、2時間チョットで全部まとめるなんてのはどだいムリな話ですから、もう少しどこかに絞り込んで映画化されてもよかったんじゃないでしょうか?

 具体的に申し上げますと…(※ネタバレ含む)和也は映画が始まって、一時間前後で呆気なく死んでしまいます(これは、仕方ないとは思うんですが、何せ原作連載当時、和也が事故に遭ってから死ぬまでの間、一体何週間掛かったことか…てのをリアルタイムで知っている者としましては、これですら納得しづらい…苦笑)。で、そこから達也が後を受け、翌年の大会でエースとして予選決勝まで勝ち進む…その間、映画の時間にして1時間足らず!これは幾らなんでもはしょり過ぎでしょう?そこへ至るまでの達也や南の交流は殆ど描かれず(特に南が野球部を辞めて以降)、代わりに原作ではあまり触れられなかった、達也の母(風吹ジュン)のエピソードに、時間を割いておられる。で、挙句に何と達也は2年生の夏に甲子園へ行っちゃう(原作では2年夏は予選敗退。3年夏に甲子園出場。ちなみにこの漫画、春のセンバツは完全に無視してました…笑)!そしてラストにとってつけたように『上杉達也は…浅倉南を愛しています』…う~ん、何ともはや…。

 言いたいことはわかるし、やりたいこともわかるんだけど、もっとそれがダイレクトに伝わってくるような映画を期待していただけに、そこら辺が残念でなりません。加えて長澤まさみチャンも、スクリーンで見てるとヤッパリ「セカチュウ」のイメージが強すぎて、南チャンにうまくシンクロできてないような印象を受けました(彼女のせいではないんですけど…)。素材とテーマは良かっただけに、ホント観終わって『あ~、もう少しなんやけど…』て思いが残ってしまいました。こういう企画こそ、最初から続編ありきで割り切って作ってくれたほうがよかったような気がします。その点、同じ漫画の映画化として「NANA-ナナ-」は、潔かったと思います(まあ、あちらは連載続行中てこともありますが…)そこらあたりが、興行収入の差としても現れてるんじゃないでしょうか?

 ただ、原作知らない世代がご覧になるとコレはコレで新鮮だと思います。ひょっとすると監督は、最初から原作ファンなんて眼中になかったのかも…(笑)。


 「タッチ」は、ただいま全国ロードショー公開中です。あ、南ちゃんは新体操やってません!その辺の下心は無くしてから映画館へ足をお運び下さい。悪しからず…(笑)。
by mori2fm | 2005-09-18 10:08 | 映画評 日本映画 た行