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「フォードvsフェラーリ」熱い、熱い”おっとこの映画”

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 男のプライドとプライド、意地と意地のぶつかり合い。そして誇りを掛けた戦いを熱く熱く描いています。「フォードvsフェラーリ」(20世紀FOX)。かつてル・マン24時間耐久レースを舞台に激しく繰り広げられたバトルを元に制作されています。

 ~1960年代、アメリカの巨大自動車メーカーであるフォードは、若い世代のユーザー人気を得るために、当時モータースポーツの頂点に君臨していたイタリアのフェラーリ買収に乗り出す。しかし買収成立目前、レース部門を手放したくないフェラーリの創業者エンツォ・フェラーリが、翻意してしまい、買収話は破談。これに怒ったフォードの会長ヘンリー・フォード2世(トレイシー・レッツ)は、ル・マン24時間耐久レースでの打倒フェラーリを社命として指示。そしてその任は、かつてル・マンで優勝しながらも、心臓の病の為にレーサー生命を絶たれ、カーデザイナーへと転身したキャロル・シェルビー(マット・デイモン)に託される。シェルビーは任務遂行のため、圧倒的な速さを誇るも人間的に少々癖のある凄腕レーサー、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)をチームにスカウト。こうして、レースまでわずか90日しかないという無謀な戦いへの挑戦が始まった…。~

 とてもリアルに撮りあげられたレースシーンが、もお度肝を抜かれる圧巻モノ!今から約半世紀前のレースを果たしてどうやってこんなに迫力満点に撮ることが出来たのか?もう、脱帽!でございます。このグイグイとスクリーンに惹き込まれる映像が、とにかく熱くてすんばらしいですわ!もお、久々に見る究極に熱い直情の”男たちの映画”でございます。レースのシーンはもちろんですが、シェルビーとマイルズの男と男の友情や、フェラーリに何としても勝ちたいがために、ありったけの資金をつぎ込んでいく、フォードの会長の少々屈折した意地。更にはモータースポーツ界で”王者”として君臨していたフェラーリの確固たるプライド。それらが絡み合い、ぶつかり合って、とてつもなく濃厚に熱い映画として描かれています。
 ご存知の方も多いでしょうが”ル・マン24時間耐久レース”とは、1台の車を複数のドライバーが交代で24時間走らせ続け、その順位を競うレースで、ただ速さだけではなく車の耐久性、更にはドライバーだけではなく、メカニックを含むチームとして車を支える態勢などが、勝敗を大きく左右します。この映画はそういった背景となる部分も余すところなく描いています。ここらがまたカッコいいんだわ!ただ、打倒フェラーリを掲げるフォード内部も決して一枚岩ではなく、大企業ならではとも言えるいやらしい足の引っ張り合いが起きており、本当に泥臭い…いやドロドロした人間ドラマが展開されます。それとは対象的にマイルズを支える妻モリ―と1人息子ピーターとの家族愛溢れるエピソードは、ピリピリした緊張感と熱気をはらんだ”男たちの映画”である本作の心安らぐ場面として折り込まれていて、非常に濃密な上映時間2時間33分(長い!でも感じない!)に仕上がっています。
 マット・デイモン、クリスチャン・ベイルは意外や初共演なんですね。しかし、さすがに演技派俳優同士、見事ながっぷり四つに組んで映画を盛り立てています。この2人の共演を見るだけでも、この映画は一見の価値が有ると吾輩は思います。うん。とにかく素晴らしい!

 ところでこの映画、どう贔屓目に見てもフェラーリのことを全面的にdisってるんですが、果たして大丈夫なんでしょうか105.png

 「フォードvsフェラーリ」は、明日1月10日(金)~全国ロードショー公開です。迫力満点!おっとこの子の映画をあなたも是非!映画館でご覧ください。

by mori2fm | 2020-01-09 23:16 | 映画評 外国映画 ハ行