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「キサラギ」愛すべき、“超バカ映画”!

 吾輩が、今年の上半期に出会った、もっともシンプルで面白い“超おバカ映画”でございました。「キサラギ」(ショウゲート)。最初、チラシを見たときは『ホストの映画か?』と思っちゃったんですが、なるほどこういう映画だったんですね。もう上映時間1時間48分の間、殆んど笑いっぱなし…(^^;。


 グラビアアイドル・如月ミキが、焼身自殺をして1年が経った。彼女のファンサイトの常連達が、1周忌の追悼集会を開くため、とある建物の1室に集結した。やって来たのは発起人の“家元”(小栗旬)、の他に“オダ・ユージ”(ユースケ・サンタマリア)、“スネーク”(小出恵介)、“安男”(塚地武雅)、そして“イチゴ娘”(香川照之)の5人(注:役名は、すべて…1人を除いて…ハンドル・ネーム)。ネット上での付き合いしかなかった彼等は、そこで初めて顔をあわせる。そして、皆それぞれに如月ミキへの思いを抱いて、1周忌で大いに盛り上がろうとしていた筈だったのだが、誰かが発した『なぜ、彼女は自殺をしたのか?』という言葉から、雲行きが怪しくなり始める。そして遂にある男が口火を切った『彼女は殺されたんだ』と…。


 冒頭で“おバカ映画”と書いておりますが、俳優陣はみんな大真面目に“バカ”を熱演しております!映画の形式としては、最初から最後までずっと1つの部屋を舞台に展開する“ワンシチュエーション・ムービー”なので、ともすれば退屈な展開に陥りそうですが、この映画の場合、次から次へと話が展開していき、そしてそれがとてもテンポ良く、また笑える(たとえ次の展開が先に読めたとしても、それを見越してまた笑えてしまう…)ストーリーになっていますので、まったく“飽き”は感じられませんでした。事実試写室の中では、常にあちこちから“爆笑”が聞こえてまいりましたから。

 『大真面目に演じている』と書きましたが、ここで描かれているキャラクターは、全員が間違いなく“バカ”です。世間的に言えば“アイドルオタク”の類いです。でもこの映画では彼等を“愛すべき大バカ”として描いています。そしてそれは、緻密に練り上げられ書き込まれた古沢良太 氏による脚本と、吾輩が大好きな「シムソンズ」を撮った佐藤祐市 監督による演出、そして“濃厚すぎる”とも言えるキャスティングの俳優達の演技とのアンサンブルによって、初めて成立したモノだと思います(香川照之が、頭に“イチゴのカチューシャ”のせてるところを、想像してみて下さい。この映画、そんなシーンがいっぱい出てきます。しかも役者は“大真面目”…(^^;)。

 制作費が山ほど掛かったってことはないでしょうが、極上のエンターテインメントに仕上がっています。この時期最高に楽しめる1本だと、吾輩自信を持っておすすめいたしますよ!

 
 「キサラギ」は、6月16日(土)より全国ロードショー。この映画、ご覧になっても、決して他人に結末は話さないで下さい!あ、でもラストまで絶対席は立たないで!!



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by mori2fm | 2007-06-13 11:24 | 映画評 日本映画 か行