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「再会の街で」ジ~ンときた…。

 そんなわけで、新年一発目の通常運転は、この映画から「再会の街で」(ソニー・ピクチャーズ)。全米で大人気のコメディ俳優アダム・サンドラー渾身のシリアス演技。うん、ジ~ンときましたよ。


 NYに住む歯科医のアラン(ドン・チードル)は、仕事は順調、愛する妻・ジャニーン(ジェイダ・ピンケット=スミス)と2人の娘という家族にも恵まれ、幸福そのものの日々を送っていたのだが、何故か精神的に満たされない気持ちを抱えていて、それをアランの医院と同じビルにクリニックを構える、若き精神科医アンジェラ(リヴ・タイラー)に『友達の話なんだけど…』と、無料で相談を持ち掛け、辟易とされていた。或る日アランは街角で大学時代のルームメイト・チャーリー(アダム・サンドラー)と再会する。チャーリーは、9.11の同時テロによる飛行機事故で、妻子を失い、その後の消息がわからなくなっていた。喜ぶアランにチャーリーは何故か『お前なんか知らない』と告げるのだが、それでも自宅のアパートへは入れてくれる。そこには、中古のレコードが所狭しと並べられ、大型TVにはゲーム映像が映し出されていて、一見してまともな仕事に就いていないことが推察された。2人はクラブへ繰り出し、学生の頃の思い出話を始めるが、亡くなった家族の話題に触れた途端、チャーリーは怒り出してしまう。事故の日以来、チャーリーは仕事もキャリアも投げ捨て、自らの殻に閉じ篭って生き続けていたのだった。それからアランとチャーリーは、一緒に過ごす時間が増えていった。アランは『チャーリーのことが心配だから…』と言う名目を第一にしていたが、実際のところチャーリーと共にゲームをしたり、音楽セッションをしたりする時間を過ごすことが、楽しくなっていたのだった。そんなアランに、ジャニーンはいい顔をしなかった。しかし、アランは何とかしてチャーリーを社会復帰させたいと願っていた…。


 アダム・サンドラーがいいですね!いつものおバカ演技は封印して、非常にシリアスな演技で我々を魅了してくれます。周りの人間が如何に心配(同情)しても、当事者にしかわからない悲しみ、怒り、といった物を、とてもストレートにスクリーンで見せてくれます。吾輩個人的に、彼のこの演技に次回のアカデミー最優秀主演男優賞をあげたいな~と思っております。ノミネート発表はもうすぐですが、入ってないかな~?

 この映画は“喪失と友情の物語”です。クサい言い方ですが、他に言い表わしようがないほど、ピッタリな言葉です。何の罪も無いのに、或る日突然愛する全てのモノを一瞬にして失ってしまったら、人はその事実をどのようにして受け入れていくのか?いや、実際のところ受け入れられない人の方が多いのだと思う(この映画もそんな人間を描いています)し、その人達に周りの人間がどのような形で接していき、その傷を癒していくことが出来るのか…。究極のところ、いくら親身になって心配しても、当事者にしか痛みはわからないものだけど、それでも何か話すことによって、人は癒されるんだと、この映画は静かに、しかし力強く観ている者に語り掛けてくれます。

 ストーリーも秀逸ですが、随所に出てくるNYのロケーションと、バックに流れる70年代、80年代の音楽も、この映画をとても温かい“ヒューマンドラマ”に仕上げている重要なエッセンスです。洋楽ファンの皆様は、必見ですよ。

 「再会の街で」は、東京を皮切りにこれから全国順次ロードショーの予定です。2人の男の魂の交流を、あなたも是非映画館でご覧ください。

「再会の街で」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

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by mori2fm | 2008-01-03 01:24 | 映画評 外国映画 サ行