「クライマーズ・ハイ」あの夏の記憶が、甦る…。

 ベストセラー作家・横山秀夫原作小説の映画化。「クライマーズ・ハイ」(東映/ギャガ・コミュニケーションズ)。1985年夏に起きた、“日航機墜落事故”。この映画は、その事故に正面からぶつかっていった、地元地方新聞社の“戦い”を描いています。


 悠木和雅(堤 真一)は、亡き親友の息子・安西燐太郎(小澤 征悦)と共に、谷川岳・一の倉沢の“衝立岩”の登攀にアタックしていた。それは、親友だった燐太郎の亡父と、23年前の夏に果たせなかった約束だった。登攀の最中、悠木は23年前の夏に起こった出来事に思いを馳せる…。
 1985年8月12日。北関東新聞社の遊軍記者だった悠木は、山仲間の販売局部員・安西(高嶋 政宏)と、谷川岳・一の倉沢の“衝立岩”へチャレンジする為、仕事を終え社を後にしようとしていた。そこへ、社会部員で県警キャップの佐山(堺 雅人)が近付き、耳打ちする『ジャンボが消えたそうです…』次の瞬間、通信社のニュース速報が社内を駆け巡った。『日航123便が、レーダーから消えた。長野・群馬の県境に墜落した模様。乗員・乗客524名』単独の航空機事故としては、史上最悪。群馬県の地方新聞社である北関東新聞社にとってそれは、これまでに遭遇したことの無い規模の事故との“戦い”の始まりを告げるものだった。ワンマン社長・白河(山崎 努)は、全権デスクに悠木を指名。悠木は、地方新聞記者としての、意地とプライド・誇りを懸けて、取材に取り掛かる。非常事態を前に、神経を擦り減らされ、あちこちで軋み始める人間関係。やがて悠木は極限の精神状態“クライマーズ・ハイ”の世界へと足を踏み入れていく…。



 これは原作者である横山秀夫氏が、事故当時実際に地元群馬の新聞記者として、取材に携わった記憶を許に書かれた“フィクション(事故は現実ですが、北関東新聞社は、実在しません)”です。そしてその原作を受けて、原田 眞人 監督が徹底的にリアリティを追求して、撮影しています。ですから新聞社の内情、記者たちの動き、取材体制の様子などが、とてもリアルに描かれていて、非常に重厚で緊迫感のある“絵”に仕上がっています。正に入魂の一作と言えるのではないでしょうか。観ていてそれはスクリーンから、ヒシヒシと伝わってきました。
 
 23年前、当時高校生だった吾輩は、リアルタイムにTVのニュース速報を見ました。次々と入ってくる情報、なかなか特定されない墜落地点など、一晩中TVから流れてくるニュースに釘付けになっていました。そして翌朝、TVの画面に映し出された墜落現場の壮絶な映像に凄まじい衝撃を受けたことを、今でも鮮明に憶えています。その裏で繰り広げられていた、壮絶な人間ドラマ。俳優達の見事な演技によって、それがスクリーンに再現されています。“クライマーズ・ハイ”とは、登山用語で『登山時に興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態』を意味するのだそうです。あの夏、悠木や北関東新聞社の面々は、事故の取材を通して“クライマーズ・ハイ”を体験しました。この映画は、観ている我々にも“クライマーズ・ハイ”を体験させてしまう…そんな迫力と緊迫感が漂っています。

 毎度の如く、原作未読の吾輩ですが、ラストのニュージーランドのシーンは必要でしたでしょうか?何か、あそこだけ違和感を感じてしまいました。違和感といえば、堤さんの老けメーク!う~ん、60代には見えませんよ。元がまだまだお若いから。でも「魍魎の匣」に続く、監督・主演コンビ。うん、イイ仕事してますね。これは力作です。
 本作で最も注目すべきは、堺 雅人さんでしょう。これまでの“柔和でいい人”というイメージとは違った、眼光鋭い新聞記者の役を熱演されています。彼の新しい一面を見る事が出来ます。これからますます、出番が増えるでしょうね。

 「クライマーズ・ハイ」は、7月5日(土)より、全国ロードショーです。23年前の夏、日本中を震撼させた大事故。その裏で奮闘した人間たちのドラマを、あなたも是非映画館でご覧下さい。

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by mori2fm | 2008-06-26 00:40 | 映画評 日本映画 か行