「ブタがいた教室」ある意味、今年1番の問題作。

 ある小学校で行なわれた“実践教育”の実話をベースにした映画化。「ブタがいた教室」(日活)。う~ん、こんな映画やったンや。いやあ、こりゃあ色々考えさせられますな~。


 4月。新任の星先生(妻夫木聡)は、担任になった6年2組の教室に、1匹の子豚を連れてくる。そして生徒たちに『このブタをみんなで飼って、飼育をした後、自分たちで食べる』という事を提案する。生徒たちは一様に興味を示し、クラスでブタを飼うことに。教頭先生(大杉漣)は不安を抱くが、校長先生(原田美枝子)はこの意図に賛同。やがてブタは、生徒達から“Pちゃん”と名付けられ、日々かわいがられていく。そう、6年2組の“ペット”として。やがて生徒達の間で論争が巻き起こる。“Pちゃん”を食べるのか、食べないのか…。


 『生徒役の子供たちには、白紙の台本が渡された』とか、『リアルに討論させた』とかいう事前情報は耳に入れていたんですが、いざそれを見てみますと、これは結構ヘビーに考えさせられます。この映画のテーマは、今まさに叫ばれている“食育”や“いのちの授業”といった教育内容に合致していると思います。それを子供たちが真剣に討論する。本当に真剣でリアルな様が、スクリーン越しに観ている我々にも、ダイレクトに伝わってきます。それはそれで素晴らしいですし、子供たちにも意義のあることだなあ、とは思います。ただ凄く真剣で、ともすれば掴みあいを始めんばかりの勢いでしたので、『あんな討論(相当、感情の入った“言い合い”)したら、結構クラス仲にひびが入ったりするんちゃうの?ましてや卒業直前の時期に、下手すれば感情のしこりが残って、メチャクチャ後味悪いことになりかねんがな』と、そんな事を考えながら観ておったのですが、意外やその辺りは、アッサリと描かれています。『後腐れ無し!』って感じで。そんなモンなんですかね?最近の子供って。
 それから、先生!幾らなんでも子供に任せすぎじゃないか~?もう少し、討論に加わって、道筋を作ってあげてもいいんじゃないでしょうか。そもそも最初にブタを連れてきたのは、アンタだよ!子供たちに大切なことを学ばせたいっていう気持ちはわかるけど、あまりにも子供たちを混乱させるのは、良くないでしょうに。その辺りが、少々無責任にも見えました。まあ、それもこれも子供たちが一生懸命に取り組んでいるのを見せられたから、そういう風に感じるのだとは思うのですが。
 まあ、『“Pちゃん”と他のブタは違う』って言っても、ブタはブタな訳で。そりゃ『可愛がったペットを食えるか?』って聞かれたら、誰だって躊躇するわなあ。それでも『食べる』って答えた子達がいる事に、吾輩素直に驚きました。子供達の方が、よっぽどそういうことを理解してるんだなあと感心させられました。

 生徒役の子供たちは、本当に頑張ってます。討論のシーンなんて、殆んどドキュメンタリーみたいです(ソレを狙った演出だと言ってしまえば、実もフタもないのですが)。信じられんことに、吾輩何度か泣きそうになりました。自分でも理解出来なかったのですが、知らぬ間に感情が昂っていたようです。子供たちの討論に入り込んでいってたんでしょうね。それだけ真に迫った演技だったと思います。そして、その子供たちの演技(?)を受けて立つ妻夫木クンも、頑張ってますね。“新任教師”久しぶりに爽やかで一生懸命な役の彼を見させていただきました。ココンとこ、結構インパクトのある役が多かったような気がするので…。あと、校長役の原田美枝子さんが、イイ感じで映画全体を優しく締めてくれています。このキャスティングは、正解でしょう。

 実際に、この“実践教育”が行なわれたのは、今から18年前(1990年)だそうです。“モンスターペアレント”なる種族(?)が跋扈する現在の学校では、恐らくこんな授業はムリだろうな~。

 「ブタがいた教室」は、ただいま全国公開中です。新任の先生と26人の6年生が繰り広げる真剣な『食べる、食べない論争』を、あなたも是非映画館でご覧下さい。“食”に関する考えが、少し変わるかも…。

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by mori2fm | 2008-11-02 13:51 | 映画評 日本映画 は行