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「GSワンダーランド」面白いとは思いますが…。

 今から40年ほど前の日本を、熱狂の渦に巻き込んだ“GS(グループ・サウンズ)ブーム”。そのブームの裏側を、面白おかしく描いた本作、「GSワンダーランド」(デスペラード)。吾輩が生まれた頃の頃の話ですから、よくわかんないんですけどね~(^^;。


 1968年、世は空前のGSブーム。演歌専門のレコード会社“ファインレコーズ”でも、この波に乗らんと、社長の松田(岸部一徳)、専務の鎌田(大杉漣)は、担当の佐々木(杉本哲太)に『3ヶ月でGSバンドを探して、デビューさせろ』と命じる。困った佐々木は弱小プロダクションの社長・梶井(武田真治)に、早速スカウトに向かうよう依頼。更に困った梶井は、或る日何処からか聞こえてくるGSバンドの音を追って一件のビルの屋上へ、そこではタツオ(高岡蒼甫)のバンドを追い出されたドラムのシュン(水嶋ヒロ)とベースのケンタ(浅利陽介)そして、その時に知り合ったバンド志望のギターのマサオ(石田卓也)が新たに組んだバンド“ザ・ダイアモンズ”が、初練習を行なっていた。その様子を見た梶井は、その場でマサオ達をスカウトし、佐々木に報告。しかし既に完成していたデビュー曲はオルガンがメインだった。またまた困った梶井は、以前事務所へやって来た歌手志望のミク(栗山千明)を、『いずれソロ・デビューさせる』という条件で男装させ、メンバーに加える。こうしてデビューを飾った“ザ・ダイアモンズ”だったが、デビュー曲はたった23枚しか売れず、緊急のテコ入れが計られる。結果、どのGSバンドもやっていないスタイルということで、“お伽話の王子様スタイル”が採用され、メンバー全員が白タイツを履き、バンド名も“ザ・タイツメン”と改められる。当初メンバーは嫌がるが、ミクの中性的なルックスに気付いた女性を中心に、人気に火がつき、『タイツ履いてニュー歌謡』のキャッチで売り出した新曲「海岸線のホテル」は爆発的な売上げを記録する…。


 『面白いか?面白くないか?』とだけ問われると、確かに面白かったです。作風がコミカルですし、60年代を再現したファッションや、風景、音楽も『あ~、こんなんやったんやろうな~』と思わせてくれて、結構楽しめました。意外なところでは、GSバンドの衣装や、キャッチ、売り出し方には、ああ言う背景(当時はまだ、戦後20年ほど)が存在したんだ(←実話かどうかは定かではないですが)ってことがわかるシーン。『へ~、そうなんや~』って、チョット感心させられました。
 しか~し!一体この映画、どういう人達をターゲットに作ったのか?観ていてサッパリ理解出来ませんでした。今の若い世代が、この映画を観に行こうと思うか?そりゃ、いま売り出し中の水嶋ヒロ君や、石田卓也君のファンの人なら話は別ですが、果たしてそれ以外の人達が喰い付くか?更に、GS全盛期を知る世代(吾輩の親たち辺り)が、昔を懐かしんで観に行くか?どちらもしんどいと思います。俳優陣の演技の方も、脇を固めるベテラン陣(一徳さんが、スクリーンに映った時は、『おお!タイガース!!(^^;』って、チョット感激でした)は、それぞれとてもイイ味を出していて、面白いのですが、如何せんメインを張る若手陣の演技がチョット…。そりゃ、楽器を演奏するシーンなんかは、非常に頑張っていた(初心者が、猛練習したそうです)とは思いますが、それ以外は映画として考えた時、相当グダグダなレベルに思えてしまって…。その辺は観ていてシンドかったです。『日本映画が好調』と言われる昨今ですが、もうチョット明確な製作意図を、観る側にも分かるように作っていただきたいと思います。さもないと、この“日本映画バブル”は、いずれ弾けてしまうと思います。

 キツイこと書き並べましたが、この映画の音楽は、なかなか大したモンでして、作中“ザ・タイツメン”が歌う「海岸線のホテル」という曲。吾輩の頭の中から、なかなか出て行ってくれません!!特にサビの歌詞とメロディーが…。何せ“作詞・橋本淳、作曲・筒美京平という、ホンマモンが作っておられますから。しかも何とこの曲、驚くべきことに実際に販売されておるのですわ!凄い!!これこそが、この映画の最大のヒットだと思います。コレ、売れたらオモロイんやけどな~(^^;!


 「GSワンダーランド」は、11月15日(土)から全国ロードショーです。あ、「海岸線のホテル」のカップリングは、温水さんが熱唱している「あなたのフリをして」です。これも作中に出てきます。そんな“ハチャメチャ歌謡ショー映画”を、あなたも是非映画館でご覧ください。

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by mori2fm | 2008-11-05 23:03 | 映画評 日本映画 さ行