2009年 05月 07日
「スラムドッグ$ミリオネア」パワフルムービーですよ!
第81回アカデミー作品賞受賞作「スラムドッグ$ミリオネア」(ギャガ・コミュニケーションズ)。作品賞だけでなく、最多の8部門で受賞しちゃったんですよね。何がそんなに凄かったのでしょうか?
世界各地で放送され、人気の「クイズ$ミリオネア」。インドでも高視聴率をマークし、国民的番組として人気をはくしていた。その番組に解答者として出演したジャマール(デヴ・パテル)は、スラム出身で無学。そんなジャマールが正解を積み重ね、遂にかつて誰もなし得なかった最終問題にまで辿り着く。しかし、ジャマールに不正の疑念を抱いた司会者・プレーム(アニル・カプール)の差し金により、ジャマールは初日の放送後、警察に拘束され尋問を受けることに。そこでジャマールは、自らの潔白を主張し、何故正解を知っていたかを話しはじめる。それはスラムで共に育った、兄・サミール(マドゥル・ミッタル)との確執、最愛の母を亡くしたイスラム教とヒンドゥー教の争い、そして初恋の女性・ラティカ(フリーダ・ピント)との出会いと別れなど、ジャマールがこれまで生きてきた壮絶な人生の記憶だった…。
『何故、今インドなのか?』この映画を観る前に、吾輩が抱いた大きくて素朴な疑問です。映画を観終わってもこの疑問は、全面的に解消するには到りませんでした。ただ、インドのいわゆる“貧民層”と呼ばれる人たちの、貧しくても逞しく生きている“リアルなパワフルさ”が、スクリーンを通してびんびんと伝わってきました。世界的な大不況で、先の見えないこの時代に、ダニー・ボイル監督は“人間の底力”をこの映画を通して、世界の人たちに見せ付けたかったんじゃないかなあ…と思います。1本の映画として見た場合『んな話、うますぎるがな!』と、ツッコミどころは満載でして、決して完成度の高い作品だったとは言い難いと思います。恐らくダニー・ボイルもそこら辺は承知で、敢えて荒削りなままの映画に仕上げたんじゃないでしょうか。『とにかく、行ってまえ!』てな感じで…。そこらあたりが、アカデミー賞でも評価されたのかなあ?とにかく見ていて、得体の知れない凄まじいパワーを感じたのは確かです。
観ていて素直に『インドって、凄い!』と感じました。アレだけの人口とパワーがあれば、いずれ日本など飲み込まれてしまうんじゃないかとも。ただ、あまりにも混沌としていて国を挙げてまとまれないのが、難点ですね(身分制度なんかも存在しますから)。でもその気になったら、或る意味“恐ろしい国”だと思います。
この映画は、インド資本のいわゆる“ボリウッド映画”ではございません。あくまでも、インドを舞台にした“イギリス人監督とアメリカ資本”による映画です。この映画の成功(興行的にも、賞レース的にも)により、今後この手の映画が増えていくことが予想されます。そう、ハリウッドとボリウッドの融合。この映画は、そのパイオニア的存在として、後世に語り継がれていくと思われます。
話を映画のストーリーに戻して、少しツッこませていただきますと、作中の「クイズ$ミリオネア」で出題される問題の中で、一番最後の問題が一番簡単だったと吾輩は思うのですが…。何ぼスラム出身の無学な青年とはいえ、あの出題の仕方はどうよ?と思いましたね。『運命だった』って言われても…(^^;。だってその問題で、最高賞金ってね~(でも、現実として知らなかったんですが…爆)。
「スラムドッグ$ミリオネア」は、ただいま全国絶賛上映中です。見終わった後、知らぬうちにパワーが沸いてくる本作を、あなたも是非!映画館でパワフルにご覧下さい。
~追記~
『インドの映画なのに、踊らへんな~』と思ってたら、チャンとありましたよ!エンディングで!!映画本筋とは、ホント何の関係もなく踊っちゃってます(^^;。

映画『スラムドッグ$ミリオネア』 - シネマトゥデイ
・スラムドッグ$ミリオネア@映画生活

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