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「ブリッジ・オブ・スパイ」世界を救った男の物語。

[ブリッジ・オブ・スパイ] ブログ村キーワード
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 “監督 スティーヴン・スピルバーグ”“主演 トム・ハンクス”“脚本 イーサンジョエルのコーエン兄弟”。各部門でそれぞれ2度のアカデミー賞に輝く彼等が集結した、或る意味夢のような映画「ブリッジ・オブ・スパイ」(20世紀フォックス)。米ソ冷戦下に於ける世界戦争の危機回避を担ったごく普通の、しかし強い正義感を持った男の実話を基にした物語です。

 
 アメリカとソビエトが冷戦状態にあった1957年。ニューヨーク在住のルドルフ・アベル(マーク・ライランス)という男が、ソビエトのスパイとして逮捕される。アベルを裁判で弁護する国選弁護人に選ばれたのは、ジェームズ・ドノヴァン(トム・ハンクス)。優秀な弁護士であるドノヴァンは、敵国の人間を弁護することに躊躇しつつも、『どんな人間にも等しく公平な裁判を受ける権利がある』という正義の原則を貫くため、アベルの弁護を引き受ける。その裁判の過程で接しているうちに、ドノヴァンとアベルの間には、互いへの理解と尊敬が芽生えていく。果たして死刑が確実と思われていた、アベルの判決は?そして、この2人の出会いが、後に米ソ冷戦の最中に起きる或る重大事件の解決のカギへとつながっていく…。


 アベルを演じているのは、イギリス出身の名舞台俳優マーク・ライランス。彼は本作の演技で、今幾つかの映画賞の助演男優賞を受賞しています。アカデミー賞の有力候補の1人とも言って間違いないでしょう。確かに見た感じは、どこにでもいるごく普通の初老の男なんですが、スクリーンに映る何とも説明のつかないる“圧倒的な存在感”は、ライランスが舞台で培ってきたキャリアから滲み出てくる物なんだと思います。それに対峙する形のトム・ハンクスは、典型的な“善良な普通のアメリカ人”というキャラの役を、今回も非常に上手く演じています。こういう役を演じさせると、恐らく今のハリウッドでは、彼の右に出る人はいないのではないでしょうか?もお、ホントに“名優”が板に付いちゃいましたよね?先日TVでたまたま、トムの初期の出演作である「スプラッシュ」(この映画、吾輩は大好き!でございます)を見たんですが、当時誰がトム・ハンクスの今の姿を想像出来たでしょう?また久しぶりにハジケてズッこける役とか、究極の悪役なんかを演じるトムの姿を見てみたいなんて思うのは、吾輩だけですかね??

 スピルバーグお得意の“歴史の暗部に光を当てる”という作業に、コーエン兄弟による緻密で練られた脚本が重なり、非常に重厚な映画になっていますが、エンタテインメント作品としても一級品の出来映えだと思います。2時間22分というなかなか長尺な上映時間になっていますが、決して長いとは感じませんでした。特に世界戦争勃発の危機を、未然に回避しようと奔走するドノヴァンの姿や、その交渉過程。一枚岩のように思われていた旧社会主義国家が、裏では国家間で激烈な主導権争いを繰り広げていた(本作で描かれているのは、ソビエトと東ドイツ)様などは、見ていてスリリング(さすがに時代が時代なので、スピーディーさには欠けますが)で、飽きることなく惹き込まれました。さすが、チーム・スピルバーグ!磐石のお仕事でございますね。


 「ブリッジ・オブ・スパイ」は、明日1月8日(金)~全国ロードショーです。1歩間違えば滅亡していたかも知れない世界を、未然に救った“普通の男”の物語をあなたも是非!映画館でご覧ください。


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by mori2fm | 2016-01-07 22:59 | 映画評 外国映画 ハ行 | Trackback(39) | Comments(8)

「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」ものすごく哀しくて、ありえないほど前向き…。

[ものすごくうるさくて、ありえないほど近い] ブログ村キーワード
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 トム・ハンクスサンドラ・ブロック “2人のオスカー俳優、初の共演!” 「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」(ワーナー・ブラザース)。最初タイトルを聞いた時には『これ、一体何の映画??』なんて思ったりしたんですが、いやいやどうして、なかなかの感動作でございましたよ。しかし、このタイトルは憶えられんな~(^^;。


 9.11のアメリカ同時多発テロで突然、最愛の父・トーマス(トム・ハンクス)を亡くした少年・オスカー(トーマス・ホーン)は、母・リンダ(サンドラ・ブロック)とも上手く向き合えなくなり、深い哀しみを抱えて日々を過ごしていた。トーマスが亡くなって1年程が経った或る日、オスカーは“あの日”以来初めて亡き父の部屋へ入る。そしてクローゼットの中で、誤って花瓶を割ってしまう。花瓶の中から、封筒に入った見慣れない鍵を発見したオスカーは、それがトーマスが遺したメッセージだと確信。その鍵の謎を解くために、封筒に書かれていた“Black”という言葉を頼りに、ニューヨーク中の“ブラックという姓を名乗る人”の許を訪ねる、調査の旅を開始する…。


 “9.11のテロ事件を背景に、父親を亡くした少年を主人公にした泣ける映画”くらいの予備知識しか持たずに、吾輩は観に行ったのですが、まあ途中までは何とも非常に気分の悪い映画でございました。とにかく主人公のオスカー少年に、まったく感情移入することが出来なかったんですわ。だって“ものすごく気難しくて、ありえないほど生意気”に見えたからです。そりゃ大好きだった父親を亡くして、精神的に不安定になってるってのは理解できるんです(“アスペルガー症候群”の可能性を匂わす台詞もあります)が、その辺を差し引いても、上から目線で大人にモノ言ったり、母親であるリンダに罵詈雑言を浴びせたりと、『何てクソ生意気なガキなんや!』としか思えなかったのです。ところが映画も後半に差し掛かり、オスカーが鍵の謎に近い人物(≪ネタバレ!≫になっちゃうので、詳しくは言えませんが)に対して、トーマスの最期に絡む或る秘密を打ち明けるのですが、それを聴いた瞬間、涙腺決壊!吾輩号泣(>_<)!!そうか~、オスカーはそんなことをず~っと胸のうちにしまっていたのか~。誰にも言えずに、話そうともせずに…。わずか10歳の少年やぞ!ず~っとイッパイイッパイだったんやろうね。哀しくて苦しくて、どうにかなりそうだったんだろうね。だから大人に対してキツいモノの言い方になったりしてしまったんだろうね。ホント、必死だったんだろうね。ゴメンなさいm(_ _)m!そんなことも理解できず、“クソ生意気なガキ”とか思ったりして。オスカーは、ホントに想像を絶する哀しみを抱えていたんですね。それがわかった時は、吾輩も~堪りませんでしたわ(>_<)。

 これは本当の意味での“喪失と再生の物語”だと思います。突然失った最愛の存在、その喪失感と哀しみを如何にして埋めていき、克服していくのかということが、少年の目を通して感動的に描かれています。テロで犠牲になった人のことを描いてはいますが、何が正しいとか何が悪だとかいうことには触れておらず、こういう類の映画でよく描かれている“アメリカ至上主義”は、まったく出てまいりません。これもイギリス出身の名匠・スティーブン・ダルドリー 監督だからこそ為せた業なのかもしれません。泣けると書きましたが、温かい笑いが生まれるシーンもあって、とても優しい映画に撮り上げられています。


 トム・ハンクス、サンドラ・ブロック共に今回は非常に抑えた演技で、少年のことを正に“大きな愛で包み込んでいる”両親を熱演しています。生前、オスカーを惜しげもなく慈しんだ父・トーマスの姿にはとても心が安らぐ思いがしましたし、ラスト近くで母・リンダが如何にオスカーを見守り、愛しているかということがわかるシーンがあるのですが、サンドラが上手いの!もお、ホントに泣かされてしまいました。そして名優、マックス・フォン・シドー!彼が演じた“口がきけない謎の老人”(早々に、その正体の予測はついちゃうのですが、そんなことは問題ではない!)は、父亡き後のオスカーを精神的に支え、導いていきます。声を発せずとも、その圧倒的な存在感は映画の中でとても輝いています。この演技でのアカデミー賞ノミネート(助演男優賞)も、納得でございますな。極めつけは、オスカー役に抜擢されたトーマス・ホーン君。何と今回が映画初出演(!)なんだそうです。ス、スゴイな~!いやホントにもお他に言葉が出てこないですわ。この子、一体これから先どんな風に育っていってくれるのでしょう?頼むから、そのまま真っ直ぐに行ってくださいね。くれぐれも、悪い方へは曲がらずに…。


 「ありえないほどうるさくて、ものすごく近い…」もとい!「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」は、ただいま全国ロードショー公開中です。深い哀しみを抱えた少年が辿る“再生への旅”を、あなたも是非!映画館でご覧ください。泣けます!

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by mori2fm | 2012-02-21 22:58 | 映画評 外国映画 マ行 | Trackback(88) | Comments(16)

「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」アメリカよ、驕るべからず…。

 “アカデミー主演男優賞×2”+“アカデミー主演女優賞”+“アカデミー監督賞”まあ、何と豪華な顔ぶれでございましょうか!「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」(東宝東和)。にも関わらず、何なのでしょうか、この地味~な空気は…?



 1980年。テキサス州選出の下院議員、チャーリー・ウィルソン(トム・ハンクス)は、酒と女に目がなく“お気楽議員”として日々幸せに生きていた。しかし或る日、ソ連に軍事介入されたアフガニスタンのニュース映像を見たチャーリーの中で、持ち前の正義感が目覚め、自らが委員を務めていた“国防歳出委員会”で、わずか500万ドルだったアフガニスタンへの支援額を倍増させるように指示。そんなチャーリーに、テキサスの大富豪・ジョアン(ジュリア・ロバーツ)が近付き『アフガンの人々のためにあの国を救ってほしい』と訴える。この願いを聞いてチャーリーはパキスタンへ渡り、ハク大統領と対面。予算を倍増させたことを報告するが、その程度の額では、何の役にも立たないことを指摘される。その後、パキスタンのアフガン難民キャンプを視察したチャーリーは、更なる支援の必要性を実感し、帰国。CIAから派遣されてきたエージェントのガスト(フィリップ・シーモア・ホフマン)と共に、ソ連をアフガンから撃退する作戦を考案していく…。


 なるほど確かにキャッチの通り“たったひとりで世界を変えた、本当にウソみたいな話”ではあります。当時のアフガニスタンは悲惨だったでしょうし、その危機を救うためにチャーリーがやったことは、確かに素晴らしいと称賛に値するとは思います。しかしこの映画、ラストでトンでもない事をヌカしておるのです。それは『俺たち、最後にチョット失敗しちゃいました』ってことを、堂々とカミングアウトしとるのですよ!何を失敗したかってことは、映画を観てご確認いただきたいのですが、このことが結局ソ連撤退後のアフガンを混迷させ、結果タリバンやアルカイダなどを台頭させる要因となってしまったのです。それに伴う世界的な混乱は、皆さんもご承知の通りですし、そしてそれは現在も間違いなく進行形で存在している問題なのです。にも関わらず、こんな状況下でこのような映画を作って公開してしまう…吾輩は、この映画を観て『こんなん、アメリカのエゴやがな!』としか思えませんでした。行なったことに対する結果に対して、これではあまりにも無責任すぎます。

 随分と政治的な内容についてツッこんでしまいましたが、映画としても冒頭に書いたように豪華スタッフ&キャストが集結しているのも関わらず、何か締まりがないんですよね。ユル~いって言うのかな?トム・ハンクスは、至って“普通”です。ホントに“普通”としか言いようがないくらい“普通”ですし、ジュリア・ロバーツなんか、『別に誰でもイイんとちゃうの?』ってくらい、存在感の感じられない演技ですし、唯一フィリップ・シーモア・ホフマンが、“はぐれエージェント”の役で、イイ味出してくれてるのが救いのタネですね。マイク・ニコルズ監督お得意の“風刺をきかせた演出”も、この映画では少々空回りしちゃったようです。重いテーマを、軽い作風で仕上げようとしたんでしょうが、非常に中途半端な“どっちつかず”という印象を受けました。どうしたかったんだよ~??

 ただ、“知られざる歴史の1ページ”を知ることが出来るのは確かです。特に中東問題やテロとの戦いなどに興味がおありの方には、必見の映画であると思います。


 「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」は、5月17日(土)より全国ロードショーです。1人の男が起こした世界を変えた奇跡を、あなたも是非映画館でご覧下さい。


「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

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by mori2fm | 2008-05-15 01:34 | 映画評 外国映画 タ行 | Trackback(26) | Comments(6)

映画ネタを書いておりますが、最近更新が停滞しまくってます…。


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